髪が茶色だとして「地毛証明書」を求められた我が子 “不合理な校則”、沖縄県が廃止方針

髪が茶色だとして「地毛証明書」を求められた我が子 “不合理な校則”、沖縄県が廃止方針
沖縄タイムス 2021/8/11(水) 20:01配信

 沖縄県教育庁が本年度中にも県立学校での「地毛証明書」の提出を廃止する方向で検討していることが10日、分かった。各県立学校の生徒指導教諭にも既に方針を伝えているという。

■県立高の74%

 天然パーマや生まれつき黒髪でない生徒に地毛であることを申告する地毛証明書。同庁が6月末に行った県立高校(全日制58校)への調査では、17校が「提出を義務付けている」、26校が「任意の提出を求めている」と回答し、提出している学校は全体の74%に上る。「提出を求めていない」は15校にとどまった。

 文部科学省は6月、社会や時代の変化に合わせて校則を見直すよう都道府県教委に通知。三重県が4月までに全ての県立高で地毛証明書の提出を廃止するなど、全国的に不合理な校則の見直しが進んでいる。

 県立学校教育課の屋宜宣安副参事は「人権やダイバーシティの観点上、地毛証明書の提出は必要ない。早い段階での廃止を検討している」と説明した。

 県の校則調査ではその他、頭髪のツーブロックについて「禁止しているが、柔軟に対応している」が26校、「認めている」が32校。制服は「生徒の判断で選択できる」が45校、「学校と相談の上で選択できる」が12校。制服選択を「内規(校則)に反映している」が31校、「反映していない」が26校だった。

■「やっと前進」

 沖縄県教育庁が地毛証明書の提出を廃止するよう検討していることについて、廃止を求めてきた関係者は「やっと前進した」と安堵(あんど)する一方、多くの高校が提出を求めている現状に人権意識の乏しさを指摘する声もあった。

 夫が外国人の女性は、高校に通う子の髪が茶色だとして地毛証明書を求められた。「外見だけで判断するのではなく、中身を見てほしい。今の時代、みんな違って当たり前。子どもの存在が否定されているようで寂しい」と声を落とす。

 証明書の廃止は「一日も早く実現してほしい。本来なら、こんなことに時間を割くより、もっと他のことに労力を注ぐべきだ。子どもの人権を軽視する古い体質をいつまでも引きずってほしくない」と強調する。

 元教員でおきなわ子どもを守る会の長堂登志子代表は、地毛証明書の提出義務付けや任意提出を求める県立高校が多いことを「時代錯誤」と批判する。「証明書を出さなければいけないこと自体がおかしい。学校が生徒の多様性を認めなければ、子どもを逃げられない状況に追い込んでしまう」と危惧する。

 県教委が廃止を検討することは一歩前進と受け止める。「理不尽な校則は子どもたちを傷つけることを理解してほしい。何でも一律にする指導方法は危険だ」と訴えた。

何度でも書きますが、生徒に「地毛証明書」を提出させることより、教師に「無犯罪証明書」を提出させることが必要です。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする