旭川で凍死した女子中学生の生前の肉声「学校側もいじめを隠蔽しようとしていて…」届かなかったSOS

旭川で凍死した女子中学生の生前の肉声「学校側もいじめを隠蔽しようとしていて…」届かなかったSOS
HBCニュース 2021/10/2(土) 8:01配信

 今年3月、旭川の公園で、遺体で見つかった中学2年の廣瀬爽彩(ひろせ・さあや)さん。行方不明になる3か月前、いじめについて告白する映像が残されていました。
 これから爽彩さんの肉声が出てきます。彼女に何が起きたのかを考えるうえで貴重な映像のため、遺族の了承を得て放送します。

 今年3月、旭川の公園で遺体で見つかった廣瀬爽彩(ひろせ・さあや)さん。14歳。
 爽彩さんは中学1年生だったおととし6月、市内の川に飛び込み、保護されました。遺族の代理人によりますと、その後、爽彩さんに関する性的な画像が、上級生やほかの学校の生徒たちに共有されていたことがわかったといいます。
 警察は、少年1人を触法少年として厳重注意していました。
 爽彩さんは、おととし8月、旭川市内の別の中学校に転校しました。
 そして今年2月、突然行方が分からなくなり、1か月後に遺体で発見されました。

 「あ、はじめまして、こんにちは」(生前の廣瀬爽彩さん)

 これは、行方がわからなくなる3か月前の去年11月に、インターネットでライブ配信された動画です。20代の男性配信者が、視聴者の相談に乗るという内容で、爽彩さんがいじめについて告白していました。

 「いじめを受けていたんですけど、そのいじめの内容が結構きつくて、自分の方でなかなか納得がいかないっていうか、処理できないっていう気持ちになってしまってて。それで、すごい簡単に内容を説明しますと、まず先輩からいじめられてたんですよ。先輩にいろんなものをおごったりとか、ちょっと、変態チックなこともやらされたりとかもしたんですけど。それで、そういうのにトラウマがあって学校自体に行けなくなってしまって(うん)学校に行くためにはどうしたらいいんだろうって考えたときに、何も自分じゃ思いつかなくて、学校側もいじめを隠蔽しようとしていて(そうだよね、今の時代は特に)そうそうそう」(生前の廣瀬爽彩さん)

 旭川市教育委員会によりますと、爽彩さんが転校した次の月には、爽彩さんの保護者と代理人が同席し、いじめをしたとされる生徒とその保護者と話し合いをしています。しかし、動画では、爽彩さんは転校後も、なかなか学校に行けないと、悩みを打ち明けていました。

 「人が怖いし、人と話すのも苦手だし、人に迷惑かけるのも怖いし…みたいな感じになってしまっていて、人に迷惑かけることとかがいけないことだって思ってる節が私の中であって(迷惑かけてもいいだろう、別に)それが何か怒られるんですよ。(誰に?)周りのネットの方だったり、お母さんだったりとか。たまにお母さんは通話の内容を聞いているので、(なんでそんなに怒られるのが嫌がるの?)失敗するのが怖くて、失敗しなきゃ成長しないのもわかってる(失敗したらさ、もうそれで終わりじゃないじゃん)そうなんでしょうね、いろんなの人から言われる」(生前の廣瀬爽彩さん)

 「私自身、すごいメンタル状況が不安定で、それでなんか学校に行くと1、2時間でギブアップしちゃうんです。基本的に。でも、自分の気持ちはそうなんですけど、だけどみんなには期待されるみたいな。それがちょっと怖くて(みんなになんで期待されんの?)わからないけど、多分、元々ができたからじゃないかな」(生前の廣瀬爽彩さん)

 動画の中では自分が書いた絵を褒められて喜ぶ様子もありました。

 「(これ本当に自分で書いたの?)そうです。(これは自分のちゃんとした世界観を持ってる人だよねこれ)ありがとうございます。私は好きなこと、得意なことを伸ばして仕事にできたら一番楽しいだろうなって。(とりあえず、絵はずっと書き続けておいた方がいいと思うよ)わかりましたありがとう。それ参考にさせていただきます」(生前の廣瀬爽彩さん)

 「いやなんか褒めてくれるからちょっと調子乗ってる…(素直にそういうところを言うんだね、褒めてくれるから調子乗ってるとか言って、普通に褒めるよ。なんか勉強とかよりも大切なものがこの子にはありそうな気がする)うふふ」(生前の廣瀬爽彩さん)

 相談をして「ある程度はすっきりできた」という爽彩さん。

 「(頑張ってね)はい、ありがとうございました」(生前の廣瀬爽彩さん)

 同じ時期、爽彩さんは別のSOSも出していました。

 今年3月、旭川の公園で遺体で見つかった廣瀬爽彩さん14歳。遺体で発見される4か月前、旭川市内の民間相談室に電話していました。

 「はい、きらきら星です、と言った時も、しばらくだまっていた。しばらくしてたら、もしもしっていう感じで。相談ですか?と言ったら、そうですと言われたので。だからかなり悩んで電話よこしたんじゃないかなと思いました。どんないじめですか?と言ったら泣き出してしまって、それでしばらく待ってたんですよね。ヒックヒック言いながら(画像を)拡散されたと」(子ども相談室キラキラ星・村岡篤子さん)

 村岡篤子(むらおか・あつこ)さんは爽彩さんに「また連絡をしてほしい」と声をかけましたが、爽彩さんから電話が来ることはありませんでした。

 村岡さんによりますと、過去5年間で、きらきら星が受けたいじめや不登校に関する相談は1518件。
 相談した子どもが通う旭川市内の小中学校に329回にわたって情報提供を行い、教職員との面談を申し入れましたが、会って話がで きたのは、わずか8回のみでした。
 しかし、旭川市教育委員会は、市内の小中学校に聞き取りをした結果、キラキラ星から情報提供をうけた記録が残る学校は、無かったとしています。

 「各学校において、いじめと認知した事案などについては、教育委員会に報告する必要があり、その際に関係機関や団体等、学校外部との連携状況についても、学校の対応の経緯として、報告をいただくことになりますが、当該の民間の相談施設(キラキラ星)との連携状況については、各学校からの報告では把握をしていない」(旭川市教育委員会・辻並浩樹教育指導課長)

 「門前払いですよ。これだと。結局、学校も教育委員会も、これらの問題に聞く耳を持っていなかったということではありませんか」(旭川市議会・能登谷繁議員)

 「児童生徒本人や保護者、関係機関以外の第三者から情報提供が寄せられた場合は、当該の第三者に児童生徒の個人情報を伝えることが難しく、慎重に対処しなければならないことが、当該の民間の相談室と学校の円滑な連携が難しい要因のひとつであるというふうに考えております」(旭川市教育委員会・辻並浩樹教育指導課長)

 旭川市教委はその後、連携体制を見直し、キラキラ星からの情報提供窓口を市教委に一本化しました。

 「子ども自身が困って、どこかに相談したいっていう場所が、旭川の場合ないんですよ。夜すごく遅いか、朝、親が出勤したとか、誰も家の中にいないとかっていうときにかかってくるので、市役所の業務時間内に電話かけてくるっていうのはほぼないんですよね。何かこういう相談したり、協力し合いたいっていう問題が起きたときは、(市教委は)シャットアウトなんですよね。その体質が、教育現場で変わらない限り、学校の中で隠蔽されちゃって、それが当たり前になってしまう」(子ども相談室キラキラ星・村岡篤子さん)

 いじめの有無について、旭川市教委は第三者委員会を設置し、調査をしていますが、調査結果をまとめる時期はまだ決まっていません。

 廣瀬爽彩さんのお母さんからのコメントです。

 「勉強大好きな爽彩は、将来、法務省に入りたいという夢を持っていました。『法務省がダメなら、検察官になる』。爽彩は目を輝かせながら将来の夢を話してくれました。法律に興味があったようで、それからもいろいろ考えて、検察官を目指すことになりました。その夢を実現するため、爽彩は、進学先のことも考えながら、勉強に取り組もうとしていました。しかし、つらい体験をする中で、爽彩の将来への希望は、絶望に変わってしまいました。検察官を目指し、将来の夢を描いていた爽彩を、まるで別人のようにしてしまったのは何だったのか。その真相を一刻も早く知りたいと願っています」

10月1日(金)「今日ドキッ!」午後6時台

カテゴリ 

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする