「私は学校も許せません」男性コーチにわいせつ行為を受けた野球部員の保護者が怒った異例の“授業料催促”《大阪偕星学園高校》

「私は学校も許せません」男性コーチにわいせつ行為を受けた野球部員の保護者が怒った異例の“授業料催促”《大阪偕星学園高校》
文春オンライン 柳川 悠二  2021/10/17

「弁護士さんから経緯の説明を受け、初めて学校から謝罪の言葉がありました。事件の発覚から1カ月以上経ってからです。学校の弁護士は水落が犯行に及んだ理由を、山本監督からのパワハラでストレスを溜め込んでいたと説明し、『水落も被害者なんです』と言いました。それに同情する保護者もいたようですが……」(C君の母親)
 そして4家族だけへの説明の2日後、2月18日に野球部全体の保護者説明会が開催された。C君の母親が続ける。
「被害に遭っていない生徒の保護者もいるところで、弁護士さんはセクハラの内容を説明していったんです。被害者からすれば耳を覆いたくなるような話まで、ですよ。あまりに無神経で、被害者感情を逆撫でする行為で、学校側の誠意が感じられませんでした。そんな状態で『意見があるならおっしゃってください』と言われたって、被害者家族が声を挙げることなんてできるはずがありません」

 さらに追い打ちをかけるように、水落から最も卑劣な被害を受けていたA君の父親は学校から驚きの連絡を受けた。A君は事件発覚後から学校に通えない日々が続いていたが、2年生に上がるタイミングで授業料の催促を受けたという。
「新年度の1回目の授業料をお支払いいただけますか」
 大阪偕星学園では年間の授業料を3回にわけて納める形式だが、A君は学校に通えなくなり、転校も視野に入れていた。A君の父親は怒気まじりにこう話した。
「担任は野球部の部長でもあったので、事情もわかっているはず。それなのに授業料を催促してくるのかと驚きました。しかも『お支払いできません』と伝えたら、『水落から賠償金が入ったらそれで支払ってください』というんです。まるで、早く水落と和解しろといわんばかりの物言いに怒りを感じました。私は水落同様、学校も許せません」

「転学をするにしても、納付期限が過ぎている授業料は納めていただく決まりになっているんです。不幸なことに、水落のわいせつ行為によってPTSDになられたわけですから、水落の賠償金から授業料に充当するのは適当だと思いますし、お支払いいただくのも水落から賠償金が支払われるまでお待ちします。学校としては、むしろ被害者に寄り添った判断だというふうに考えています」

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 大阪の私立高校の元教師で野球部のコーチだった男が、部員の男子生徒に性的暴行をしたとして13日、大阪府警に逮捕された。
 逮捕された大阪市内の私立高校の元教師、水落雄基容疑者(31)は、昨年11月、コーチを務めていた野球部の男子部員に性的暴行を加え、PTSD(心的外傷後ストレス障害)を負わせた疑い(強制性交致傷の疑い)。
 府警によると、水落容疑者は「マッサージをしてやる」と男子部員を自分の部屋に呼び出し、犯行に及んだ。チーム編成を決められる立場を悪用していたとみられ、調べに対し、「教え子であればバレないと思った」などと容疑を認めている。
 別の男子部員にわいせつな行為をしたとしてすでに起訴されていて、府警は水落容疑者が10年ほど前から犯行を重ね、50人以上が被害にあったとみて調べている。

 大阪市内の私立高校で野球部員にわいせつな行為をしたとして、元コーチの男が逮捕されていたことがわかりました。
 逮捕された大阪市内の私立高校の元講師で、野球部のコーチだった水落雄基容疑者(31)は昨年度、野球部の男子部員と2人きりになった際、下半身を触ったとされています。
 学校が部員の保護者から相談を受け調査したところ、ほかにも部員13人が被害を訴えました。
 水落容疑者は、去年8月以降「マッサージをする」などと言って、グランウンドの休憩室や野球部の寮の部屋などに部員を呼び出し、下半身を触ったり写真を撮ったりしたということです。
 学校側の調査に対し、水落容疑者は「冗談半分で始めて、だんだんエスカレートしてしまった」と行為を認めています。
 学校は、3月に水落容疑者を懲戒解雇していて「指導が不十分だった。学校をあげて、正常な部の運営に立ち戻ることをお約束する」とコメントしています。

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