「正常な学校運営に戻って」 SOLA学園 大量離職で職員の負担増 休職も 悪循の改善訴える
沖縄タイムス 2022/5/7(土) 8:47配信
専門学校を運営するSOLA学園(沖縄県宜野湾市、野村美崎理事長)で今年3月までの1年間に職員40人以上が労働環境悪化を理由に離職している問題で、本年度から在職中の職員が担当する1人当たりの授業数が増加し、準備などに追われて休職者が出る悪循環に陥っている。大型連休明けの授業再開への影響が懸念され学生にも不安が募る中、現在休職中の男性職員が本紙の取材に応じ、労働環境の早期改善を訴えた。
労働組合の中心的役割も担う休職中の男性職員によると、学園側から昨年度末、柔道整復学科の職員がこれまで5人で担当していた実技の授業を1人で務めるようにとの打診があった。昨年度まで1コマ90分の週7〜8コマだった授業数は、本年度から11コマに増加した。
「労組として学習環境の改善を学園に求めている手前、授業数が増加しても質を落としてはいけない」と、責任感から勤務時間は増えたという。
増加した授業の準備で四六時中不安が付きまとい、食事は喉を通らず、不眠状態も続き、医師から「適応障害」「3カ月休職」の診断を受けた。診断後の4月25日以降、自宅療養している。
柔道整復学科は昨年度、3人が離職している。男性職員は「非常勤職員がリモートなどを交えて授業する方法はあると思うが、実技は教師と学生の対面実施が原則。離職した方を呼び戻さないことには、大型連休明けに対面授業を継続することは困難だと思う」と打ち明ける。
同科3年の学生は「5月になっても担当教師が決まってない時間割が配られている」と説明。「新年度になって常勤の先生もいない。放課後などの国家試験対策で先生に聞きたいとき誰に聞けばよいのか」と不安を吐露した。
労組側は職員の労働環境改善のため時間割の編成権を現場が持つことなどを求めているが、学園側は認めていない。一方、学園側は教師や学生の不安について「実技も含めて既存の先生と新しい先生で補填(ほてん)対応している」と回答し、授業には支障がないとしている。(社会部・松田駿太)