青森高2自殺、遺族が学校提訴 「いじめが原因」
共同通信 2022/6/21(火) 15:34配信
2019年に八戸学院野辺地西高(青森県野辺地町)2年の男子生徒=当時(17)=が自殺したのはいじめが原因として、両親が学校を運営する学校法人光星学院(八戸市)に約9800万円の損害賠償を求め、青森地裁に提訴したことが21日分かった。
訴状によると、教科書に「死ね」と書かれたメモが挟まれていたことなどから、遺族はいじめがあったと主張。使い走りをさせられていたと複数の同級生が証言しており、学校側はいじめを認識できたとし、適切な措置を取る義務を怠った、と訴えている。
生徒の父親(60)は取材に「いじめを認めて息子に謝罪してほしい」と話した。
青森県野辺地町の私立八戸学院野辺地西高は1日、今年1月に2年の男子生徒=当時(17)=が自宅で自殺していたと明らかにした。遺族はいじめが原因になった可能性を主張しているという。学校側はいじめを確認できておらず、設置した第三者委員会が来年1月までに最終報告書をまとめる方針。
同校などによると、1月16日朝、自室で首をつって死亡している生徒を母親が発見した。遺書は見つからなかった。全校生徒と教職員計約260人を対象にした学校側の調査では、いじめと認められる回答は得られなかった。
遺族は「死ね」と書かれた紙が見つかったことや、帰宅時に顔にあざがあったとして再調査を要望。学校側はそれぞれの事案について、生徒間の冗談の範囲内であることや、事実関係を確認できなかったとしている。亡くなった生徒から学校側へのいじめの相談もなかったという。
学校側は遺族の求めに応じ、有識者4人による第三者委を8月に設置した。設置は公表しておらず、同校を運営する学校法人光星学院(八戸市)の古川聡常務理事は「第三者委から聞き取りを受けている生徒の心のケアに配慮した」と説明した。
八戸学院野辺地西高の橋場保人校長は「自殺を食い止められなかったのは痛恨の極み。第三者委の最終報告を待ちたい」と話した。