<「アホ」「認知症」の暴言で学校理事長を辞任>老人ホームの女性運営者が「資産10億円」入居者の養母になっていた
文春オンライン 2022/10/27(木) 16:12配信
この大橋氏が、自らが運営する住宅型有料老人ホームの、資産家の入居者の養母になっていたことが「 週刊文春 」の取材でわかった。
看護師資格を持つ大橋氏は2016年に大橋医療高専を設立。授業も受け持っていた彼女が、生徒に度重なるパワハラ発言をしていたことを小誌は 9月15日発売号 で報じた。
「『アホ』『認知症』などの暴言を吐き、耐え兼ねて自主退学する生徒が後を絶たない。3月卒業の5期生は31人入学し、卒業は15人だけでした」(現役生徒)
発売翌日の16日、大橋氏は理事長・校長職の辞任を表明した。
「副校長が代理を務めると発表されましたが、大橋先生は生徒の前に姿を現さず、謝罪はありません」(同前)
大橋氏は学校とは別に介護事業所アイリング・サポートの代表を務めており、川口市の住宅型有料老人ホーム「あいりんぐほっぷ」も運営している。
実は今年7月、同ホームである“事件”が起きていた。
「大橋氏が突然、Aの養母になったのです」
そう語るのは、施設に入居する50代の女性Aさんの親族の一人である。発端は今年1月31日、Aさんの母が入居したことだ。母は認知症が進んでおり、自宅で転倒して大腿骨を骨折。糖尿病もあったため、同ホームに入った。
「Aも重い双極性感情障害を患っており、一人では生活ができない。近所に住む親族が世話をしていたが、行政から入院か施設への入居を促されました」(同前)
役所からの書類でAの姓が大橋姓に変更になっていた
大橋氏が「うちで一緒に見ますよ」と言ったため、Aさんは母と同じ居室に2月17日に入居。1カ月後の3月17日に、母は83歳で、老衰で死去した。
「実はAの家は不動産を多く保有する資産家。土地価格は10億円を下らず、賃貸マンションも複数所有している。ただ、彼女は自分で資産を管理できない」(同前)
そこで親族が家庭裁判所へ申立をし、Aさんに成年後見人がついたのが、7月8日のこと。しかし――。
7月29日、親族がAさん宅のポストを覗くと、役所から書類が届いていた。
「印鑑登録抹消通知書が届いていて、26日付でAの姓が大橋姓に変更になっていたのです。さらに保険証の苗字も同じく大橋姓になっていた。状況が理解出来ず、すぐ成年後見人に相談しました」(別の親族)
慌てて成年後見人が戸籍を確認すると、何とAさんが大橋氏の“養女”になっていたのだ。
親族はすぐ施設の窓口になっていた大橋医療高専の副校長に連絡。成年後見人と共に8月7日に、施設を訪問した。だが当日、施設の入り口で副校長が立ちはだかったのだ。
「『面会はできません。今、コロナ(禍)だからダメ』と言って、3時間も外で押し問答を続けましたが、入れて貰えなかった。成年後見人が数日前に川口警察署に状況説明をしていたので、その場で警察に電話したが、対応して貰えなかった」(同前)
その後も親族は何度も掛け合ったが、Aさんには会わせて貰えていない。
「Aには、父と前妻との間に生まれた異母きょうだいがいる。ただ異母きょうだいは遺産を受け取らないと言っている。もしAに何かあった場合、遺産は全て大橋氏にいくのです」(同前)
養子縁組の無効を主張するのは非常にハードルが高い
成年後見人にも伝えることなく、資産家の入居者と養子縁組をした大橋氏。寺林智栄弁護士が解説する。
「民法で婚姻に関しては成年後見人の同意を要しないと規定されていますが、養子縁組も同様で、同意が無くても法的には問題ないのです。養子縁組の無効を主張するには、署名が偽造であった、もしくは本人の意志に基づかずに成立したなどを証明する必要がある。ハードルは非常に高い」
法的な問題はないというが、親族はこう訴える。
「身元引受人として親族は施設と契約を結んでおり、成年後見人も退居を望んでいる。にもかかわらず、大橋氏は一切、会わせようとしない。少なくとも話し合いの席には着くべきです。今はとにかくAの身柄を確保して、病院や施設を替えてあげたい一心なのです」
事実関係を確かめるべく、大橋氏に電話をしたが、すぐに電話は切られた。副校長も「週刊文春の」と名乗ると電話を切り、再び出ることは無かった。
だが、大橋氏が関わる疑惑はこれだけではなかった――。
大橋医療高専の給付金“不正受給疑惑”、あいりんぐほっぷの劣悪な介護環境、施設で起こった入居者の転倒事故など、詳しくは「 週刊文春 電子版 」および10月27日(木)発売の「週刊文春」で詳報している。