自殺生徒の同級生2人が記者会見「元教諭の殴る蹴る横行」、元同僚は「見つからぬよう体罰」証言
読売新聞オンライン 2022/12/3(土) 23:44配信
2019年4月に熊本市立中学1年の男子生徒が、小学校時代に教諭から受けた暴行などが原因で自殺したとされる問題で、市立五福小で同級生だった男性2人が3日、市内で記者会見を開いた。2人は、自殺した生徒の担任だった元教諭(懲戒免職)から暴行を受け、不適切な指導も日常的だったと証言。1人はPTSD(心的外傷後ストレス障害)と診断されたことを明かし、市教育委員会に再発防止を求めた。
自殺の原因を調査した市教委の第三者委員会は10月、生徒が重い抑うつ状態になったのが一因とし、「(元教諭の)不適切な指導が発症に影響した蓋然性が高い」と指摘した。今月2日、市教委は、
この日の記者会見では、自殺した生徒の小学6年当時の同級生で、現在は高校1年の男性(15)が、「日頃から、暴言や殴る蹴るといった行為が横行していた」と述べた。
男性は小学4年の時、元教諭に腹を蹴られ、胸を壁に押しつけられたという。今も夢でうなされ、昨年に医療機関でPTSDと診断された。男性は「あの指導を受けていたら、(生徒が)抑うつ状態になるのは当たり前だ」と訴えた。
市教委に対しては「不信感しかないが、やっと問題が認められた。体罰を受ける子どもがいなくなるよう、対策をとってほしい」と求めた。
もう1人の高校1年の男性(15)は、元教諭に暴行されたことで当時、学校に行けなくなり、市教委は元教諭の体罰や暴言などの一つに認定している。
会見には男性2人の保護者も同席し、母親の1人は「亡くなったのが、うちの子でもおかしくなかった」と話した。また、五福小で同僚だった教諭も参加。当時の校長や市教委に対応を求めたが、状況は変わらなかったといい、「(元教諭を)結果的に止められなかった。周りに見つからないように体罰をしていた」と述べた。