「あなたはノーサンキュー」追手門学院の退職強要研修、新たに元職員2人の鬱病認定 「腐ったミカン」とも発言
産経新聞 2022/12/28(水) 19:37配信
学校法人「追手門学院」(大阪府茨木市)の40代の男性の元職員2人が、出席者の人格を「腐ったミカン」などと否定する研修を受けさせられて鬱病を発症したと訴えた労災申請について、大阪労働者災害補償保険審査官が、研修と鬱病発症との因果関係を認める決定をしたことが28日、分かった。
労働基準監督署はこれまで因果関係を否定して休業補償給付を不支給としていたが、この決定を受けて労災と認定する見通し。
決定によると、男性2人は同学院で勤務していた平成28年夏、5日間の職員研修への出席を指示された。研修では外部講師が「あなたはノーサンキュー」「老兵は去るのみ」などと発言しながら繰り返し退職を迫り、その後、2人は鬱病を発症した。
この外部講師は研修で、出席者全員の前で、別の男性=すでに労災認定=に「腐ったミカンは置いておけない」とも発言しており、同審査官は「同じ受講生として恐怖感を抱くもの。執拗(しつよう)な退職勧奨で、心理的負荷が強い」と認定した。
3人は令和2年8月、学院と研修を実施した会社に損害賠償を求める訴訟を大阪地裁に起こし、係争中。
今回、因果関係が認められた元職員1人の主治医は、昨年末に発生した大阪・北新地のクリニック放火殺人事件で犠牲になった西澤弘太郎院長=当時(49)=だったといい、この元職員は「悩みを理解して真摯(しんし)に対応してくださった。深く感謝しています」と語った。
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