12件のいじめ認定、中学校の対応も批判 千葉・市原市報告書
毎日新聞 2023/3/3(金) 18:47配信
千葉県市原市立三和中学校に通う2年生の男子生徒と保護者が、いじめが原因で不登校になったと訴えていた問題で、市教育委員会は3日、市や市教委の幹部職員でつくる調査委員会の報告書を公表した。同級生6人による計12件のいじめがあったと認定。事態の悪化を防げなかった学校の対応についても「組織としていじめを認知し、適切な指示がなされなかった」と批判した。
調査委は、被害生徒側がいじめだと訴えていた25件について調査。関係者への聞き取りなどの結果、2022年9〜11月の12件をいじめと認定した。
具体的には、繰り返し蹴る▽シャープペンを取り上げる▽かかとを踏む――などの行為があった。いじめの発端は、無料通信アプリ「LINE」でのやり取りを巡るトラブルだったという。
また、複数の教員がいじめ行為の一部を目撃していたが、その場で両者が謝罪したことで解決したと判断したり、保護者への連絡を見送ったりしていた。調査委はこうした対応について「教職員の未熟さ、学校の脆弱(ぜいじゃく)さを示すもの」と指弾。学校から一報を受けても、直ちに「重大事態」と判断しなかった市教委にも反省を求めた。
林充教育長は「生徒と親御さんにつらい思いをさせ、申し訳ありませんでした」と陳謝した。被害生徒の保護者は「調査結果には不信感があるので、第三者委員会の設置を要望し、公平公正な調査を求めます」とのコメントを出した。
被害生徒は22年12月から学校に通えなくなり、現在も不登校が続いている。【浅見茂晴】