教職員の性暴力被害 初動対応マニュアル運用開始
産経新聞 2023/4/20(木) 21:34配信
東京都教育委員会は、教職員から性暴力被害などを受けた児童・生徒が学校側に相談しやすいよう初動対応マニュアルを策定し、今月から都内の公立小中高校などで運用を開始した。相談を受けた教職員が被害者をさらに傷つけてしまいかねない表現を例示するなど、被害実態の早期把握につなげるのが狙い。校長ら学校側の管理職の対応も明確化した。
マニュアルは、わいせつ行為で懲戒免職となり、免許を失効した元教員の復職を厳しく制限した「教員による児童生徒性暴力防止法」が昨年施行されたのを受けた措置。
教職員が児童生徒から相談を受けた場合の対応について最低限の聞き取りを心掛けるよう記した。被害を受けた児童生徒を傷つける恐れがある言葉についても例示。「あなたが誘ったのでは?」「どうして逃げなかったの?」「噓でしょう?」などの表現を挙げた。言い換える言葉として「逃げたらどうなると思いましたか?」「落ち着いてよく思い出してもう一度、お話を聞かせてください」などの具体例も示した。
児童生徒から性交被害の訴えがあった場合の対応も記載。緊急避妊薬の使用を検討する場合、72時間以内に投与する必要があるため、早期の医療機関への連絡などを記している。
また、学校側への相談を通じて被害が確認されたり、被害が疑わしい段階だったりしても校長ら管理職への報告を求めた。管理職は各教委や保護者への報告に加え、犯罪の疑いがあれば警察に通報・相談する。専門家も交えた被害対応チームも設け、被害者の保護や初期支援に乗り出す。
都教委によると、令和3年度に性犯罪や性暴力などで懲戒処分を受けた都内公立学校の教職員は15人。平成28年度の25人以降、20人前後の横ばいの状態が続いている。都教委は「児童生徒への性暴力被害の早期発見、未然防止につながればいい」と期待する。(植木裕香子)