「好きです、愛してる」女性臨時講師2人に交際せまった小学校の元教頭 “ハラスメント行為”で懲戒免職処分…採用の口利き思わせる発言や『信頼できる人間』と幹部装った自作の手紙も

「好きです、愛してる」女性臨時講師2人に交際せまった小学校の元教頭 “ハラスメント行為”で懲戒免職処分…採用の口利き思わせる発言や『信頼できる人間』と幹部装った自作の手紙も
テレビ高知 2023/7/12(水) 19:44配信

高知県土佐清水市の小学校に勤めていた元教頭の男性教諭が、2人の女性臨時講師に、「好きです」「愛しています」などと再三交際を迫まっていたことがわかり、県教育委員会は「非常に悪質な行為」などとして元教頭を懲戒免職処分としました。

■「かわいいね、好きです」

懲戒免職処分となったのは土佐清水市の小学校の元教頭の、50代の男性教諭です。

高知県教育委員会と土佐清水市教育委員会によりますと、元教頭は2020年4月、20代の女性臨時講師にメールで「かわいいね。好きです。」など、交際を迫る内容を複数回送りました。また、採用試験を控えたこの講師に元上司の名前を出し、口利きするような発言もしたということです。

女性講師はこの言動を不快に感じ、当時の校長に相談。校長から指導を受けた元教頭は、女性講師に謝罪しました。校長は、口頭で教育長にこのことを伝えたということです。

しかし元教頭のハラスメント行為は、これだけでは終わりませんでした。

■別の女性講師には…「元教頭は信頼できる」自作の手紙も

2022年8月には、別の20代の女性臨時講師にLINEで「愛しています」といった文章を送り続け、再三交際をせまりました。「付き合えない場合は特別扱いはできない」など、教頭という立場を利用したともとれる内容もあったということです。

また、「元教頭は信頼できる優れた人間」と思わせるような、県教委の幹部が書いたように見せかけた自作の手紙を渡したということです。

女性講師が校長に相談し、ハラスメント行為が発覚。元教頭は謝罪をしましたが、その後、女性講師に対し、子どものいる男性と交際しているのではないかと詮索する発言をし、その発言について説明を求められると、知人に口裏をあわせるよう働きかけて、虚偽の報告をしていたということです。校長はこの件を、教育委員会に書面で送付しました。

■県教委「極めて悪質」

県教委は「ハラスメント行為は、被害者の人権を無視し、精神的な苦痛を与える許されない行為。本来、教職員を守る立場にある管理職がこのような行為に及んだ責任は極めて大きく、自らの非違行為を隠して虚偽の報告を繰り返したことは極めて悪質」などとして、元教頭を懲戒免職処分としました。

被害にあった女性講師の母親は、元教頭の処分を受けてコメントを発表しました。

■「なぜ教壇に立ち続けたのか」女性講師の母親がコメント

被害にあった女性講師の母親は、元教頭の処分を受けてコメントを発表しました。

【女性講師の母親・コメント全文】
「加害教員に対する懲戒処分がなされたことで、気持ちの上では一区切りをつけることができました。しかし一方で、私たち被害者が行動を起こさなければ事実が明らかにならなかったことを思うと、高知県教委、土佐清水市教委の対応については納得ができずにいます。

・娘が被害を訴えた段階で、両教委はハラスメントの事実を認識しながら、なぜ娘を守ってくれなかったのでしょう
・被害者側からの十分な聞き取りをしないままに処分の検討が始まり、決定までにこれほどの時間を費やしたのはなぜなのでしょう
・セクハラ行為を繰り返す反省のない教員が、教頭として勤務を続けてきたのはなぜなのでしょう、また4月以降も教壇に立ち続けたのはなぜなのでしょう

両教育委員会にはハラスメント対策の抜本的な見直しをはかり、被害の継続を断ち切るよう強く求めます。

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