高校剣道部”過剰指導”自殺 遺族が顧問2人と和解

高校剣道部”過剰指導”自殺 遺族が顧問2人と和解
九州朝日放送 2023/10/12(木) 20:30配信

3年前、当時15歳だった女子高生が、部活動での行き過ぎた指導を苦に自殺しました。遺族らが12日会見を開き、当時の顧問2人との和解が成立したと発表しました。

博多高校剣道部だった侑夏さん。当時1年の15歳でした。

遺族側によりますと、侑夏さんは2020年、部活動中に顧問から突き飛ばされて転倒したり、「貴様ら」などの暴言を吐かれたりと不適切な指導を受けていたということです。

そしてその年の8月、SNSに「部活ていう存在が死にたい原因なのにね」と書き込み、自ら命を断ちました。

学校は全面的に非を認め、去年、和解が成立しましたが、直接指導をしていた若い顧問と、監督すべき立場だった年配の顧問とは、別途話し合いが行われていました。

その結果、今年1月と6月に和解が成立したということです。

条件として「不適切な指導を認め真摯に謝罪すること」「全力で再発防止に取り組むこと」が盛り込まれました。

侑夏さんの母親は、直接指導した顧問は、同様の教師がいたら自らの過ちを話してでも止めさせる努力を約束してくれたが、監督者の顧問は心の底から責任を認めているか、信じることができていないともしています。

侑夏さんの母「娘は高校で剣道を頑張って力いっぱいやりたかったのです。変わっていない姿を見せているようなら、それを周りの方が咎めていただだけたら」

侑夏さんの母親:
本当に優しくて良い子だったんですよ。剣道と一緒に育ったような子なので…。悪いのは剣道じゃなくて、博多高校の部活の場が悪い
剣道では“ありえない”あざのでき方も
2020年8月。福岡市東区にある博多高校の1年生だった侑夏さんを死に追いやったのは、剣道部の顧問2人による指導という名の「暴言」や「暴力」だった。
中学時代に地区大会で何度も優秀な成績を残し、特待生として博多高校に入学した侑夏さん。男性顧問は侑夏さんに「貴様やる気あんのか!」、「特待生としての責任がある!」と執拗に暴言を浴びせ、竹刀で何度も「突き」をしたり、体当たりをしたりしていたという。

 部の練習は新型コロナウイルスの影響で6月から始まり、3キロのランニング後、素振り1840回、前後に動きながらの跳躍素振り800回などを1時間以内でする内容だった。過酷な練習で侑夏さんは右腕と左足首を痛め、練習についていくのが難しくなった。
 これに対し、別の顧問の男性教諭は侑夏さんに「貴様やる気あるのか」などと暴言を吐くようになった。他にも、必要以上に竹刀で突く▽部員の前で突き倒して転倒させる▽「この野郎」などと怒鳴り声や罵声を30分以上浴びせる――などを続けた。侑夏さんは、男性教諭に足を踏まれて小指の爪がはがれ、両手首には暴行によるものとみられるアザができていた。
 8月29日、侑夏さんは「死ぬために部活休んだ」と自身のツイッターに投稿した後、自ら命を絶った。

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