熊本県立湧心館高校でいじめ、バドミントンで得点しても得点板は加点されず…虚偽報告も

熊本県立湧心館高校でいじめ、バドミントンで得点しても得点板は加点されず…虚偽報告も
読売新聞オンライン 2023/10/21(土) 10:39配信

 熊本県央の県立高1年だった女子生徒が2020年から同級生にいじめを受けたとして、転校を余儀なくされた問題で、学校が設置した第三者による調査委員会は20日、3件のいじめがあったと認定する報告書をまとめた。高校名を「湧心館」と明かした上で、不十分な対応や虚偽の報告があったことも認め、「生徒や保護者の学校に対する不信を増大させた」などと指摘した。

 報告書では、女性は1年生だった20年7月頃からいじめを受けた。クラスメートに仲間外れにされ、体育のバドミントンで、得点板に自身の得点を入れてもらえなかったことなどを認定した。周囲から悪口を言われるなどした2件については認定は困難としたが、同級生との関係性を把握する上で重要だとした。

 学校側の問題点も明らかにした。初期段階の対応が不十分だったほか、当時の教頭が実際は未実施だった家庭訪問を、書面では「○」と記入して県教育委員会に報告していた。第三者委の記者会見に同席した水野保彦校長は20日、「初動対応が遅く、保護者との連携も早く行うべきだった。再発防止に努めたい」と述べた。

 被害生徒の母親(38)も報告を受け、報道陣の取材に応じた。「学校の初動対応の遅さが盛り込まれていた」と一定の評価をしつつ、「高校生はまだ子ども。大人の力が必要で、暗い顔をした子を見落とさないでほしい」と再発防止を訴えた。

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