広島県立高の積立金着服事件 県教委、肩代わりした弁償金1620万円の回収断念 横領・詐取した元総括事務長が死亡
中国新聞デジタル 2023/11/28(火) 18:00配信
広島県立高の積立金を着服し、2004年に業務上横領と詐欺の罪が確定した観音高(広島市西区)の元総括事務長の男性が死亡したのを受け、県教委が肩代わりした弁償金のうち1620万円の回収を断念することが28日、分かった。12月7日開会の県議会定例会に関連議案を提出する。
複数の関係者によると、県教委は被害額約3500万円を弁償した上で、男性から回収を続けてきた。だが、男性は完済できないまま20年11月に死亡し、関係者全員が相続を放棄した。
男性に財産がほとんどないため、県教委は清算手続きをせず、未返済の全額を権利放棄するという。県議会で可決されれば、来年1月に会計処理をする見通し。
男性は01〜03年、高陽東、廿日市、観音の3高校で、卒業アルバム代やPTA会費が預けられた口座から無断で現金を払い戻すなどして詐取したり横領したりしていた。04年に広島地裁で懲役3年の実刑判決を言い渡され、確定した。