札幌市立校教職員の訓戒後絶たず 非公表「処分妥当か」 多い年で70件
北海道新聞 2024/1/30(火) 5:01配信
札幌市立校の教職員への訓戒処分が後を絶たない。過去10年でみると多い年は70件を超え、少ない年でも40件近くある。ただ、事案の内容は分からない。市教委が原則公表していないからだ。このため、保護者らには「本当はより重い懲戒処分に相当するケースもあるのでは」との疑念もくすぶる。専門家は処分が妥当か検証するためにも「概要などを明らかにする必要がある」と指摘している。
市教委教職員課によると、訓戒処分では懲戒処分(免職、停職、減給、戒告)の基準に満たない交通違反や不適切指導などを行った教職員に対し、重い順に文書訓告、口頭訓告、厳重注意のいずれかを課す。
本年度の訓戒処分は今月24日現在で26件。過去10年では、2014年度の76件が最も多く、本年度を除き最も少ないのは22年度の38件だ。懲戒処分では犯罪行為や体罰といった子どもへの非違行為など基準を明確化した指針を定め、事案の概要や処分内容を公表する。
しかし訓戒処分の場合、件数は明らかにするが、概要や処分内容を公表していない。理由について同課は「社会的影響が大きい懲戒と違い、訓戒は程度が軽く世間に知らせる必要はないと考えている」という。
事案概要が不明なため、保護者からは「妥当な処分が下されたのか分からない」との声も上がる。
昨年度まで市内の小学校の特別支援学級に通っていた中学1年の男子生徒の保護者もその1人だ。生徒は小学4年まで自分のクラスと別室で学習指導を受けていたが、小5になると担任から「別室対応はできない」と一方的に言われ、自費で買った教材で自宅学習を余儀なくされたという。小6では自席が他の児童の物置にされるなどの嫌がらせがあり、担任に伝えたが「状況は改善されなかった」。
保護者は複数回、一連の事案を学校や市教委へ訴え、昨年7月にこの担任から「厳重注意処分を受けた」とだけ伝えられた。市教委からの説明はなく、外部に公表もされていない。保護者は「懲戒処分の基準にある不適切指導に当たるのでは。第三者には事案や処分の内容がわからず、検証のしようもない。息子は今も苦しんでいる」と話す。