幼稚園児暴行事件『犯行を目撃した教諭3人の証言の信ぴょう性が争点』 熊本地裁で “有罪判決” 被告の弁護団は「納得できる理由は何一つない」
RKK熊本放送 2024/2/2(金) 18:53配信
園児への暴行を問われた裁判、熊本地方裁判所は元教諭の女に有罪判決を言い渡しました。
熊本市東区の幼稚園に勤務していた元幼稚園教諭の臼杵洋子(うすき ようこ)被告(66)は、おととし(2022年)3月、園に通っていた当時5歳の園児の頬を右手で2回叩いたとして、暴行の罪に問われていました。
これまでの裁判で臼杵被告は「暴行はやっておりません」と起訴内容を否認。
臼杵被告の弁護人は被害に遭ったとされる園児が他の園児の頬をひっかいた後、謝らずにその場を離れたことから被告が指導し、その際、園児が興奮して暴言を言い、唾を吐いたため園児を制止しようと『両手で頬を挟んだだけ』だと主張していました。
きょう(2月2日)の判決で熊本地裁の平島正道裁判長は、臼杵被告の暴行を目撃したとする3人の教諭の証言が信用できるとし、「どのような経緯があろうとも幼い子に平手打ちをする行為は許されない」として、求刑通り罰金20万円の有罪判決を言い渡しました。
■被告側は『納得できる理由は何一つない。精査して控訴の準備を進める』
田中洋平キャスター「この裁判って、今後の幼児教育の現場でなにか子どもへの対応を左右する大きな裁判なんじゃないかと個人的には思っているんです」
田名網駿一アナウンサー「私もかなり気になるんですけど、今回の裁判は、『犯行を目撃したという教諭3人の証言の信ぴょう性が争点』になりました。まず、被告側の主張は、『証言は信用できない』としています。犯行当時『現場に誰がいたのか』などの3人の公判での証言が、捜査段階の供述と大きく食い違っているため『口裏を合わせている可能性があり信用できない』と訴えました」
田名網アナ「その点について教諭3人は、公判前に当時の状況を確認する機会はあったと認めてはいます」
糸永有希アナウンサー「ということは、物理的に話す時間はあったわけですよね」
田名網アナ「ただ、裁判長は犯行内容以外の部分に矛盾があったとしても、被告が平手打ちしたという点は、証言が一致していて『意図的に話を変化させたという合理的な疑いはない』として証言は十分信用できるとしました」
田名網アナ「そして判決後に会見を開いた被告の弁護団は、『記憶に基づかない証言をどうして信用できるのか、すごく疑問』『納得できる理由は何一つない』と話し、『判決の内容を精査して控訴の準備を進める』としました」