教職員と児童生徒、SNSでの私的なやりとり原則禁止…栃木県教委が懲戒処分基準を改正
読売新聞オンライン 2024/4/4(木) 18:26配信
教職員による児童生徒へのわいせつ事案に歯止めがかからない現状を受けて、栃木県教育委員会は3日、教職員に対する懲戒処分基準の改正を発表した。教職員と児童生徒がSNSで私的なやりとりをすることを原則禁止し、懲戒処分の対象とすることなどを明記した。5月1日から適用する。
「昨年度、教職員による不祥事が続けて発生したことは誠に遺憾。SNSの利用がきっかけとなっていることが多い」。阿久沢真理教育長は3日の定例記者会見で、改正の経緯をこう説明した。
改正された懲戒処分基準では、管理職の許可なく教職員がSNSや電子メールで児童生徒と私的なやりとりをした場合、懲戒処分に当たる戒告とすることを明記した。やりとりの内容が特に悪質な場合、より重い減給や停職も適用するという。ただ、不登校の児童生徒と連絡を取る場合などは、管理職の判断で認める。
県教委によると、児童生徒などへのわいせつ行為で教職員が懲戒処分となったのは、2014年度以降で18件。このうち、SNSでの私的なやりとりがきっかけとなったのは15件に上る。
こうした現状を受けて、県教委は21年6月以降、教職員に児童生徒とのSNSでの私的なやりとりを禁ずる通知を繰り返し出したが後を絶たず、昨年度だけでも4人が処分を受けた。県教委では事案防止に向けて、校長会や研修を実施し、学校現場に再発防止策の徹底を呼びかけ、さらに今回の厳罰化で抑止効果を高め、一人ひとりの意識改革にも取り組むとしている。
教職員の懲戒処分の基準を改正する動きは全国的に広がっている。22年4月施行の「教員による児童生徒性暴力防止法」を受けた動きで、本県のほかに、東京都、千葉県、和歌山県、広島県などで、SNSを使った私的なやりとりを懲戒処分の対象にしているという。
このほか、同法の改正を受けて、懲戒免職となるわいせつ行為について、従来の性行為だけでなく、身体に触れる行為、盗撮、性的羞恥心を与えて児童生徒の心身に有害な影響を与える言動なども対象に含まれた。
県教委は今後、生徒からの相談などでSNSでのやりとりが不適切な事例をまとめ、各学校や市町の教委に示す方針だ。阿久沢教育長は「これまでも私的なやりとりは控えるようにしてきたが、処分基準に明記して教員一人ひとり、保護者、生徒も含めて周知を図りたい」と話した。