茨城県立高の元副校長に有罪判決 離婚届偽造の罪、東京地裁
共同通信 2024/5/8(水) 17:30配信
妻の署名を勝手に書いた離婚届を提出したとして、有印私文書偽造・同行使などの罪に問われた茨城県立つくばサイエンス高の元副校長遊佐精一被告(53)に東京地裁は8日、懲役1年6月、執行猶予3年(求刑1年6月)の判決を言い渡した。
内山裕史裁判官は、偽造した離婚届が受理され、戸籍記録が書き換えられたことで「文書に対する公共の信頼が害された」と指摘。被告の子を妊娠していた交際相手が出産する前に妻と離婚したかったという動機に「酌量の余地は皆無」と述べた。一方で被告が反省していることから執行猶予が相当とした。
判決によると、2022年1月、交際相手に妻の署名を偽造させ、離婚届を提出した。
妻との離婚届を偽造して役所に提出したとして、警視庁麹町署は8日、有印私文書偽造・同行使などの疑いで、茨城県立つくばサイエンス高校副校長で医療ベンチャー「テラ」(令和4年に破産手続開始)元社長の遊佐精一容疑者(53)を逮捕した。捜査関係者への取材で分かった。
捜査関係者によると、遊佐容疑者の逮捕容疑は4年1月7日、50代の当時の妻との離婚届を偽造し、東京都千代田区役所に提出したとされる。
離婚届が受理されたことを知った元妻が4年11月に警視庁へ刑事告発。この離婚は同月、家庭裁判所で無効との判断が下った。
遊佐容疑者はその後に別の女と再婚。麴町署は女も偽造に関与した疑いがあるとみて、今後、同容疑で書類送検する方針。
茨城県教育委員会によると、遊佐容疑者は公募を経て昨年4月につくばサイエンス高校の副校長として採用。今年4月から校長を務める予定だった。