中学陸上部の走り高跳びで後遺障害 市と県に3145万円の賠償命令

中学陸上部の走り高跳びで後遺障害 市と県に3145万円の賠償命令
朝日新聞デジタル 2024/9/13(金) 20:05配信

 神奈川県大和市立中学校の陸上部で、男子部員が走り高跳びの練習中に頭を打ち、後遺障害を負ったのは、顧問教諭の安全配慮義務違反が原因などとして、市と県に約4557万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が13日、横浜地裁であった。小西洋裁判長は義務違反を認め、市と県に連帯して約3145万円を支払うよう命じた。

 判決によると、2019年3月、当時2年生だった男子部員は、両足で踏み切っての背面跳びを教諭に指示された。マットが左右に広がっておらず、不安を覚えたが、教諭から「お前は跳べないのか」「ポンコツ」などと言われて跳躍を試み、マットの外に落下。外傷性てんかんなどによる後遺障害を負った。

 判決は、教諭は安全に着地できるようマットの位置を工夫する義務があり、男子部員がこの日初めてこの跳躍方法に取り組み、跳躍をためらっていることを認識していたことなどから、義務違反があったと認めた。

 一方、男子部員は危険性を認識しながら跳躍したことなどから「過失割合を3割の限度で認めるのが相当」とした。

 大和市教委の担当者は「判決文が届いておらずお答えできない」とコメントした。(加藤美帆)

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