<センター試験>昨年のミス続出反省、各大学あの手この手

<センター試験>昨年のミス続出反省、各大学あの手この手
毎日新聞 2013年1月12日(土)11時14分配信

 57万人が参加する大学入試センター試験が19、20日に実施される。昨年は問題冊子の配布ミスなどが全国各地で相次ぎ、265人が再試験を受けた。大学入試センター(東京都目黒区)や試験会場を運営する各大学は、あの手この手でミスをなくそうとしている。

 東北大(仙台市)では昨年、同大から気仙沼高校会場(宮城県気仙沼市)に英語リスニング試験用のICプレーヤーを運ぶのを忘れ、リスニング試験開始が2時間も遅れた。今年は、気仙沼高校会場の運営を宮城大学に変更した。東北大広報課は「1大学が離れた試験会場を担当するとミスするリスクがある」と説明。今回は宮城大で受験する約700人分を東北大が受け入れ、宮城大は気仙沼高校会場、東北大は同大会場にそれぞれ専念するという。

 昨年、問題冊子の配布ミスで212人が再試験を受けた「地理歴史・公民」。大学入試センターは今年、2冊に分かれていた問題をビニールで一つにまとめて配るよう改善した。また、受験生への試験前の説明を昨年の20分から5分延長。さらに会場を運営する各大学・短大への説明会も2回から3回に増やした。

 問題冊子の配布ミスの中でも、全国最多の190人に影響を出した北海道大。昨年は1回だった教職員などセンター試験監督者向けの説明会を増やし、今月11、15両日の2回とした。さらに昨年は26%が説明会を欠席したため、説明会を録音したCDも作製し欠席者に配布する念の入れようだ。静岡大も説明会をビデオ撮影し欠席者に見せるようにした。

 このほか、大学入試センターは、トイレなどで一時退室する受験生に対応したり解答用紙の回収にあたったりする監督補助者を新たに「地理歴史・公民」と「理科」で配置するよう求めた。同センターは「昨年のトラブルと検証を踏まえ改善に努力してきた。受験生に迷惑をかけないよう、しっかり取り組む」(総務課)と話す。

 大学入試センター試験は全国707会場で昨年から1万7807人(3.2%)増の57万3344人が受験を予定している。【石丸整】

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