<駆け込み退職>愛知でも希望相次ぐ 教員、県警職員も
毎日新聞 2013年1月23日(水)1時41分配信
埼玉県内の公立学校で100人以上の教員が退職手当減額前の1月末での退職を希望している問題で、愛知県では3月1日で退職金を引き下げるため、定年退職を迎える県警職員と公立学校教員で2月末の退職希望が相次いでいることが分かった。県警や県教委は対応に追われている。
愛知県は当初、1月1日に引き下げることで繰り上げ退職による賃金の逆転現象を防ごうとした。だが結局は「周知期間が必要」として3月1日施行にしたため、2月に退職すると、3月に退職した場合に比べ退職金で150万円、給与を含めた賃金全体で100万円多く受け取れることになった。
今年度の定年退職者が約290人いる県警は、早期退職希望の有無を取りまとめ中。「署長クラスなど幹部にも手を挙げている人がいる。対象者の半数以上が希望するのではないか」(県警関係者)との見方もあり、100人以上の早期退職者が出ることもありえる。
県警は退職者数を見極めた上で、幹部ポストを中心に補充人事で穴埋めをする。交番・駐在所の空席を懸念する声も出ており、退職者を再任用する方法も検討し、現場の要員を維持する考えだ。
愛知県の公立学校教員の定年退職者は約1300人。県教委は希望者を慰留するとともに、臨時職員の採用を検討。2月中旬をめどに早期退職の意思を把握するとしている。
ただ「調査することで早期退職を促しかねない」(担当者)ため、調査手法を慎重に検討しているという。
退職者の再任用については「自己都合で辞める人を再任用するのでは、県民に説明がつかない」として、臨時職員の採用を優先する方針だ。
三重、岐阜両県は今年度中の退職金引き下げは行わない。名古屋市は未定としている。【安達一正、駒木智一】