「いじめが自殺の直接的要因」…大津・第三者委

「いじめが自殺の直接的要因」…大津・第三者委
読売新聞 2013年1月31日(木)14時21分配信

 大津市で2011年10月、いじめを受けた市立中学2年の男子生徒(当時13歳)が自殺した問題で、市の第三者調査委員会(委員長=横山巌弁護士、6人)は31日、「いじめが自殺につながる直接的要因になった」とする調査報告書を越直美市長に提出した。

 加害者と認定したのは中3の少年2人で、主な行為として19項目を列挙。学校と市教委の対応も厳しく批判した。

 第三者委は生徒ら延べ56人から聞き取り、12回の会合を経て、231ページの報告書を作成。11年10月11日の自殺まで約1か月の状況を調査した結果、体育祭で顔、手足に粘着テープを巻き付けられた、何度もズボンを脱がされたなど、19の行為をいじめと認定した。

 いじめた人物は、関与の度合いから「2人」とし、滋賀県警が暴行容疑などで書類送検した別の1人については「頻度が少ない」などとして除外した。また、県警が確認できなかった「自殺の練習」は、「自殺の練習をしろと言われたことが認められる」とした。

 報告書では「重篤ないじめが生徒に屈辱感、絶望感と無力感をもたらした」とし、生徒が9月下旬に2回、周囲に「暗くて静かな山に行って死にたい」などとほのめかしたことを明記。自殺当日、生徒は小学校時代の写真を自室の机に置いて自宅マンションの14階に向かったといい、「飛び降りることで、『暗いいじめのトンネル』を抜けようとした」と結論づけた。

 一方、学校側の対応については教諭のメモなどから10月5日時点でいじめを認識できる状況だったが、情報を共有せず適切な対応をとらなかったと指摘した。

 また学校は10月末に「因果関係は不明」とした上で「家庭の問題」の可能性にも言及していたが、報告書は「家庭で虐待などはなく、学校はいじめと自殺との関係を絶ちたいとの潜在的な意向から『家庭問題』という虚構に乗ったと推測される」とした。

 市教委の対応も「当初から調査を行う考えがなく、危機管理の不十分さが目立った」としている。

 越市長は「学校や市教委で隠蔽と非難される行為や、自殺の原因について責任転嫁するような行為があったことを深くおわびする。大変厳しい指摘をいただいた。真摯(しんし)に受け止め、徹底した対策を講じていく」とした。

          ◇

 調査報告書の中で、第三者委は、読売新聞が昨年12月23日付朝刊で「いじめと自殺 因果関係明示へ」と報じた記事について「虚偽報道」と記載した。報道で、(加害)生徒の保護者が「委員会との信頼関係が壊れた」としてこの生徒の3回目の聞き取りを拒否したため、調査活動に重大な支障を受けたと言及した。

 この記事について、読売新聞大阪本社は、同月26日に「事実ではない」との抗議を第三者委から受け、「当該記事は、調査委の会合後に複数の委員らに取材した内容と独自取材に基づくもの」と回答している。

 大阪本社広報宣伝部の話「報告書はいじめが自殺の『直接的要因』と明記し、因果関係を認めています。本紙の記事は、社会的関心に応えるものであり、委員会には、報道機関の責務についてご理解いただきたいと思います」

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