<いじめ放置>被害者の国立大付属小6年男子が転校…奈良
毎日新聞 2013年2月1日(金)15時0分配信
奈良市の奈良教育大付属小学校で、6年生男子児童(11)の両親が同級生によるいじめ行為を担任教諭に相談したが学校側が対処せず、転校を余儀なくされていたことが大学などへの取材で分かった。男児は同級生から「死ね」と言われたり暴行を受けたりしていたが、担任が校長らに報告していなかった。調査した大学はいじめと認定し、国立大を所管する文部科学省は大学側に再発防止策を求めている。
大学や関係者によると、男児は5年生だった11年4月ごろから、教室や廊下で同級生の男児3人から「死ね」「キモい」などの言葉を浴びせられた。また、小突かれたり蹴られたりする暴行も受けるようになった。階段から突き落とされ、あざができたこともあった。
男児の両親は同年末、担任に同級生らへの指導と改善を求めたが同級生に口頭で注意しただけで、校長や上部組織の大学側に報告しなかった。昨年4月になってもいじめが止まらず、両親らは男児を市立小に転校させた。
両親らは同月、文科省に電話でいじめの被害を訴えた。文科省から問い合わせを受けた大学が聞き取り調査をし、「男児へのいじめがあり、学校の対応に不備があった」と認定、男児と両親に謝罪した。
男児は転校後も心理カウンセリングを受け、今年1月、「重度ストレス反応」と診断された。母親(48)は「学校がいじめを放置したから息子は心に深い傷を負った」と憤っている。
国立大付属小は全国に74校ある。文科省によると、11年度に国立大付属小でのいじめは297件認知されており、当事者の児童が転校したのは1件(今回とは別)あるという。
文科省大学振興課は「こういうことが二度と起きないよう再発防止策を講じてほしい」としている。奈良教育大総務企画課は「担任が学校か大学に相談していれば、クラス替えなどで改善できる可能性もあった。児童の将来にかかわることなので、もっと注意して対応したい」と話している。【伊澤拓也】