(朝鮮日報日本語版) 放漫経営の大学13校に多額の税金支援

(朝鮮日報日本語版) 放漫経営の大学13校に多額の税金支援
朝鮮日報日本語版 2013年2月6日(水)11時11分配信

 放漫経営で閉鎖の危機に追い込まれた韓国の「経営不良大学」13校に対し、2010年から11年までの2年間で総額130億ウォン(現在のレートで約11億2000万円、以下同じ)の政府予算が投じられたことが、5日までに分かった。政府が経営再建の見込みが薄い大学に予算を支援し、税金を無駄遣いしたとの批判が出ている。

 教育科学技術部(省に相当)が国会教育科学技術委員会の徐相箕(ソ・サンギ)議員(セヌリ党)に提出した大学別予算支援に関する資料を本紙が分析したところ、経営不良大学に指定され、その後閉鎖命令が出された碧城大、成和大、ソンギョチョン大など5校に対し、10年から11年にかけ税金25億ウォン(約2億2000万円)が支援されていた。このうち4校は11年または昨年に廃校になり、1校は教育科学技術部を相手取り訴訟を起こしている。

 数十億ウォン(10億ウォン=約8600万円)台の校費横領や、出席日数の足りない学生に単位を与えていたことが発覚し、11年初めに経営不良大学に指定された明信大は、10年から11年にかけ学生の奨学金として2億1000万ウォン(約1800万円)の支援を受けた。放漫経営が深刻で教授に13万ウォン(約1万円)しか月給を払っていなかった成和大(11年閉鎖)も、学生の奨学金として2年間で7億6400万ウォン(約6600万円)の支援を受けた。

 また、就職率や定員充足率などの指標が良好で政府から予算支援を受けていた大学が、わずか2年にして経営不良大学に転落したケースもあった。

 ある大学は、10年に教育能力強化事業で優秀大学に選定され17億2000万ウォン(約1億4800万円)の支援を受けるなど、総額20億2000万ウォン(約1億7000万円)を受け取ったが、昨年末に経営不良大学に指定された。また、10年に経営不良大学に指定された乾同大(昨年8月に自主廃校)は、翌年に人文社会研究能力強化事業の予算から1050万ウォン(約90万円)を受け取るなど、10年から11年にかけ総額2億ウォン(約1700万円)余りの支援を受けた。

 慶尚北道のある経営不良大学は、人文学振興事業で1000万ウォン(約86万円)、研究者支援事業で5000万ウォン(約430万円)など、11年の1年間だけで17億1600万ウォン(約1億4800万円)の予算支援を受けた。

 教育界の関係者はこれについて「多くの私立大学が学生の授業料や政府の支援で延命している。経営のずさんな大学が学生集めに苦労しながらもこれほどまで乱立したのは、政府が無分別に国民の税金を投じたことが原因の一つだ」と指摘している。

 教育科学技術部は10年以降、大学21校を経営不良大学に指定した。経営不良大学の指定は政府の大学構造調整事業の最終段階に当たり、大学の経営がずさんだったり、重大な不正が発覚したりして閉鎖の危機に追い込まれた大学を指す。このうち、碧城大、成和大、明信大、ソンギョチョン大など5校には閉鎖措置が取られた。このほか2校は統廃合され、2校は経営を立て直し、現在は12校が経営不良大学に指定されている。政府が大学に支援する予算は学生の奨学金、研究事業、教育能力強化事業などの名目で使われるが、こうした放漫経営の大学に多額の予算を投じたことは国民の理解を得られないとの指摘が多い。

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