小中高で体罰13件、福井県教委が実態調査 敦賀工ラグビー部など

小中高で体罰13件、福井県教委が実態調査 敦賀工ラグビー部など
福井新聞ONLINE 2013年2月19日(火)8時28分配信

 福井県教育委員会(県教委)は18日、大阪市の男子高校生が部活動の顧問から体罰を受けた後に自殺した問題などを受け、県内の公立小中高校と特別支援学校を対象に実施した実態調査の結果を公表した。体罰は小中高校9校で計13件あり、このうち2件は部活動中に生徒にけがを負わせたり、5年間にわたって継続的に長時間の正座や蹴るなどの行為をしていた。

 同日開かれた県教委の会合で示された。

 調査は昨年4月から今年1月末までの期間が対象。県教委によると、2件のうち1件は敦賀工業高ラグビー部顧問の40代の男性教員が昨年11月1日、昼休みのミーティング中にふざけていた3年生部員1人を数回注意。改善されなかったため平手で頬を3回たたき、左耳の鼓膜を損傷させ全治10〜14日のけがを負わせた。県教委が調査した2月以降、部活動の指導は謹慎している。

 もう1件は、丹生高野球部顧問の40代男性教員が、練習や練習試合中にミスをした複数の生徒に対し、グラウンドに長時間正座させたり、正座している部員の胸などを蹴ったりした。部員にけがはなかった。

 この教員は同校に赴任した2007年度から顧問を務め、翌年以降、継続的に体罰を続けていた。特に新チームになった昨夏以降、体罰が激しくなっていたという。

 他の11件は、小学校が授業中に1件、中学、高校はともに部活中4件、授業中1件だった。部活動の練習に集中しないなど態度の悪い生徒の頬を平手で1〜2回たたくなどしたが、いずれも継続性はなかった。

 体罰を行った教員の処分は今後、考査委員会を開き決定する。

 県教委は再発防止策として2月中に小中高校の校長会を開き、適切な生徒指導を徹底する。体罰をした教員を対象とした再教育研修と、全部活動指導者対象の体罰防止研修会を3月中に開催するほか、4月に庁内に「部活動指導力向上会議」を設け、適切な指導の在り方を検討する。

 校内研修の徹底や校長らによる児童生徒への定期的な聞き取り、校長、教頭の部活動巡回の強化に取り組む。

 調査は、市町教委を通じて各校の校長、教頭ら管理職による部活動顧問や主将、マネジャーらを聴取した。部活以外でも、管理職が気になっている事案について教員から話を聞くよう指示。報告のあった全ての事案について県教委が調査チームを派遣し先月28日以降、詳細調査を進めていた。私立の小中高校についても現在、県が調査している。

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