教職員駆け込み退職235人に 知事、再任用強く牽制 静岡
産経新聞 2013年3月7日(木)7時55分配信
■「警察官はゼロ」教育長と応酬
公務員の今年度からの退職手当削減方針に伴い、教職員では定年退職者の4割にあたる235人が年度末前の“駆け込み退職”を申し出ていることが分かった。校長はいないが、教頭は6人含まれている。6日の県議会2月定例会の質疑で明らかにされた。県職員も定年退職者の6%にあたる10人が早期退職を希望している。警察職員には「現時点で条例施行前の辞職願を提出した職員はいない」という。
駆け込み退職者の処遇について、安倍徹教育長はこの日の県議会で「25年以上勤めた自己都合退職者は、定年退職者と同様に再任用の対象」と答弁し、早期退職者235人のうち50人を再任用する方針を明らかにした。
しかし、川勝平太知事はこの答弁を受けて「再任用についての教育委員会は開かれていない」と発言。答弁は安倍教育長の独断であり、教育委員会で承認されたものではないとの見方を示して、早期退職者の再任用を強く牽制(けんせい)した。
また、県職員と県警職員も退職手当削減については同じ条件でありながら、教職員にのみ大量の早期退職者が出ていることについて、安倍教育長は「一人一人が苦渋の選択をしたと思っている」と弁護した。
これに対して川勝知事は「警察官の駆け込み退職はゼロ。一方で教職員は4割というところに、矜持(きょうじ)のありようが見える」と、教職員のモラルを批判した。
退職手当が削減される定年退職者は、教職員588人▽県職員168人▽警察職員125人の計881人。現在県議会で審議中の退職手当引き下げ条例案の施行予定日は20日で、成立すれば、同日以降の退職者は19日以前に比べて手当が約150万円減額される。
退職手当の官民格差は400万円とされており、これを埋めるために県は、平成26年度末までに1人当たり総額400万円を3段階に分けて引き下げる方針だ。