<いじめ>70万円脅し取られる…中1、同級生から 佐賀
毎日新聞 2013年3月21日(木)13時0分配信
佐賀県鳥栖市の市立中学校で昨年、1年生の男子生徒(13)が同級生らからいじめを受け、殴る蹴るなど暴行されたり、現金計約70万円を脅し取られたりしていたことが分かった。男子生徒は昨年10月から登校しておらず、現在は心療内科に通院しているという。生徒の両親は21日記者会見し「息子が早く元通りに学校に戻れるよう、学校や市教委は二度といじめが起きない環境を作ってほしい」と訴えた。
市教委によると、男子生徒は入学直後の昨年4月以降、同級生から暴行を受けるようになり、家族が同年9月に生徒の体にあざがあるなど異変に気づいた。10月下旬に学校に相談し、直後に学校が聞き取り調査を始めた。
調査では十数人の生徒が関与していることが判明。加害生徒らは学校などで、大勢で男子生徒を殴る蹴る▽包丁を投げつける▽エアガンで撃つ▽殺虫剤を顔面にかける▽現金を脅し取る−−などのいじめをしたという。
男子生徒の母親は「息子は『いつか殺されると思っていた』と言っていた。とにかく生きていてくれたことに安堵(あんど)している」と話し「なぜ息子だけがこのような目に遭うのか、悔しくてたまらない」と訴えた。
校長は「再発防止に努め、生徒たちがいじめが許されないということを真に理解するよう指導していく」と話した。市教委は「かつてない重大事案と受け止め、被害生徒が早期に学校に戻れる環境を整えたい」としている。【田中韻】