東京女学館大学、27年度末で閉校 詐欺罪で理事長ら告訴

東京女学館大学、27年度末で閉校 詐欺罪で理事長ら告訴
産経新聞 2013年3月22日(金)7時55分配信

 ■保護者ら「不誠実だ」

 東京女学館大学(東京都町田市)が経営難を理由に平成27年度末で閉校されることになり、学校法人側と一部の保護者や教職員との間で対立が深まっている。保護者らは1月、閉校の方針を隠して新入生から入学金を詐取したとして、学校法人の理事長らについて警視庁に詐欺罪の告訴状を提出。少子化に伴い定員割れに苦しむ大学が増える中、異例の騒動の行方が注目されている。(太田明広)

 「卒業生はこれから大海原に出ていくが、帰る港はなくなろうとしている」

 21日の卒業式。同大の後援会長で、「東京女学館大学を存続させる会」の成田志野女(しのめ)会長は、祝辞の中でこう悔しさをにじませた。式典の間、学校法人「東京女学館」の福原孝明理事長ら列席した幹部は険しい表情を崩さなかった。

 成田会長らは1月17日、福原理事長ら3人の告訴状を警視庁捜査2課に提出。「学校法人は閉校ありきの対応であまりに不誠実。やりたくなかったが最後の手段だった」(成田会長)

 発端は昨年4月、学校法人側が突如、25年度から大学の新規募集をやめ、27年度末に閉校すると公表したこと。その後、保護者らへの説明会が11回開かれたが、溝は深まるばかりだ。

 告訴状によると、福原理事長らは昨年3月中旬に閉校を決定したのに、この事実を隠蔽(いんぺい)。24年度の新入生52人から入学金や前期の授業料など計約6300万円を詐取したとしている。

 1年生の娘を通わせている母親(48)は「昨年4月の入学式では、閉校の話は全く出なかった。もう少し早く知っていれば他大学に行く選択肢もあったのに」と憤る。福原理事長は閉校の理由を「定員が95人で、新入生が目標の70人に届かない52人だったため」と説明。短大から四年制大学に改組した14年度以降、常に定員割れの状態だった。

 ただ、存続させる会に近い大学関係者は「東京女学館は法人全体では黒字だが、入学金や授業料など大学の初年度の納入金が全国の女子大で最も高い。他の女子大と同水準にすれば、入学希望者はもっと集まるはずだ」と指摘する。

 閉校が公表された後、1、2年生約110人のうち3割が大学を去ることを決め、専任教員も20人中6人が退職予定だ。存続させる会は、文部科学省に大学の存続を求める約3400人分の署名を提出。

 ただし、文科省は「募集停止は原則、大学側の経営判断。学生や教員に対して丁寧な説明をするよう指導はしている」と静観の構えだ。

 警視庁は告訴状を受理するかどうかについて「未定」としており、東京女学館は「法令に従って運営しているが大学関係者に説明している最中で取材には応じられない」としている。

 成田会長は「理事長らは、学生を商品としか見ていない。大学がこんなに簡単に閉校していいのか。多くの人たちに考えてほしい」と訴えている。

【用語解説】東京女学館

 明治21年に「国際性を備えた知性豊かで気品ある女性の育成」を目的に、伊藤博文や渋沢栄一ら当時の各界の名士により設立された。学校法人の本部と小、中、高校は東京都渋谷区に、大学は町田市にある。かつてあった短大には女優の夏目雅子さん(故人)も在籍。大学は国際教養学部のみの単科大学で、1学級20人以下の少人数教育が特徴。平成23年度卒業生の就職率は95.8%と、女子大の中ではトップクラスを誇る。

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