破綻の道程:堀越学園解散/5 クリニックで負債増 会員10人に満たず /群馬

破綻の道程:堀越学園解散/5 クリニックで負債増 会員10人に満たず /群馬
毎日新聞 2013年4月3日(水)12時42分配信

 07年5月30日、東京・明治記念館。学校法人堀越学園(高崎市)が開設した高級リハビリテーション・クリニック「クララ」の落成披露パーティーが開かれた。乾杯前にあいさつ、祝辞が8人続き、200人近い出席者から失笑を買ったという。
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 「クララ」は、06年4月に開校した高崎医療技術福祉専門学校の学生の実習の場確保などの名目で計画された。東京都新宿区の医療モール「四谷メディカルビル」の2階に275平方メートルのスペースを賃借、賃料は月額242万円だったという。開設資金として都市銀行から1億6000万円の融資を受けた。
 作製されたパンフレットによると、クリニックは会員制で入会金50万円、月会費は週1回で7万2000円、同3回で21万6000円。07年6月のオープ後、会員が10人に達することはなかったという。
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 同ビルの賃借は当初、別の目的で進められていたという。堀越元理事長によると、医療支援会社から「イスラエル製の高度医療機器を導入し、富裕層の女性向けクリニックを開設すれば、資金を融資し、医師も紹介する」と勧められた。06年にこの会社から4億円の貸し付けを受け、「四谷FUSレディースクリニック」の開設を決めた。しかし、多額の維持費がかかることがわかり、借り入れをそのままにして、医療機器買い入れをキャンセルしたという。
 この会社の社長はその後、総合商社「丸紅」の偽造書類などを使い、架空の病院再生事業への投資を持ちかけて米大手証券の日本法人などから370億円をだまし取った大型詐欺事件に関与したとして警視庁に逮捕され、有罪が確定。会社も破産した。
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 当時、学園には創造学園大開学にあわせ学園長に就任した世界的な数学者、広中平祐氏がおり、理事会で堀越元理事長に撤退を強く進言したという。クリニックは07年9月3日、開業からわずか3カ月で廃止されたが、解約金、物件の原状回復などに7804万円の費用が新たに発生した。
 クリニックを巡っては、毎日新聞が確認しただけで3件の民事訴訟が起こされた。1件は訴えを認める判決が出され、2件は原告の主張に沿った和解が成立。学園が最後に行った10年度決算では、融資を受けた都市銀行1億3662万円▽医療支援会社3億4106万円▽ビル貸主の不動産会社5577万円−−計5億3346万円の負債が、クララ関連として計上されているという。【増田勝彦】=つづく
4月3日朝刊

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