当事者意識欠く市教委 公表遅れに「隠蔽」の指摘も

当事者意識欠く市教委 公表遅れに「隠蔽」の指摘も
沖縄タイムス 2013年4月17日(水)11時11分配信

 浦添市内の中学校での使途不明金問題を受け、浦添市議会は市教育委員会に「ノー」を突きつけ、津波清教育長の再任を拒否した。当初から予定されていた16日の臨時議会の教育委員人事案の審議は、問題の報道を受け「調査委員会」さながらの雰囲気になった。(通信部・平島夏実)
 なぜ事件把握から約9カ月間も公表しなかったのか。なぜ内部規則に違反して臨時職員に金銭管理を任せたのか。臨時職員の使い込みを校長・教頭が穴埋めした道義的責任をどう考えるのか−。数々の追及で露呈したのは、市教委の「当事者意識のなさ」だった。
    ■    ■
 「警察に相談した段階で公開と同じと考えている」
 津波教育長は、公表遅れを隠蔽(いんぺい)と指摘されて釈明した。使い込み発覚は昨年3月。その4カ月後に事態を把握した市教委は、顧問弁護士への相談や臨時職員の事情聴取を踏まえ、ことし3月下旬に浦添署に相談したという。記者会見を開いたのは事件報道の翌日で、まさに津波氏の再任を審議する議会直前。結局、議案は否決され、市教委にとっては最悪の結果となった。
 公表の機会は報道前にもあった。自主的な会見や教育長の辞任を促す関係者もいたが、市教委は聞き入れず、松本市長も沖縄タイムスの取材に対し「(公表が)必要であれば考える」との認識。「当事者意識も自浄能力もない」(又吉健太郎市議)体質が浮き彫りとなった。
    ■    ■
 不明金を自費で穴埋めする行為には、刑事事件とは別の道義的問題がある。内部規則に違反して臨時職員に金銭管理をさせていた責任も重い。にもかかわらず、津波教育長は「校長は転勤直前で(使い込み問題に)巻き込まれた」と擁護。校長が「業者への支払いを済ませ、新年度の学校活動を無事にスタートさせたかった」「臨時職員を追い詰めたくなかった」として踏み切った穴埋め工作を「心情的に理解できる」とかばった。
 校長・教頭の処分は今もない。市教委は「任命責任は県教委にある」と理由を説明する。一方で、県教委に事件概要を説明したのは記者会見当日になってからで、「情報提供と考えている」(県教委)。正式な文書による報告は16日現在もない。
 「こんな認識の教育長を再任したら、議会は市民から軽くみられるだろう」
 市長を応援する立場のある議員は苦しい胸の内を語った。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする