<暴力根絶宣言>体協などスポーツ5団体が採択
毎日新聞 4月25日(木)20時40分配信
日本体育協会や日本オリンピック委員会(JOC)など国内競技団体や中高生スポーツを統括する5団体が25日、東京都内に一堂に会し、暴力行為根絶宣言を採択した。大阪市立桜宮高バスケットボール部員の顧問教諭の暴力を苦にした自殺や、柔道全日本女子の暴力問題を受けての宣言。強化のための体罰として容認されることもあったスポーツ界の暴力を、今後は一切認めないことを確認した。
宣言は「暴力は人間の尊厳を否定し、指導者とスポーツを行う者の信頼関係を根こそぎ崩壊させ、スポーツそのものの存立を否定する」と規定し、指導者、競技者、競技団体の行動規範を示した。
指導者には「暴力による強制と服従では、優れた競技者は育たない。指導における必要悪との誤った考えを捨て去る」ことを求め、競技者には「自立的な存在」との自覚と「暴力の黙認」を戒めた。競技団体には、実態把握や、指導者教育プログラムの作成や相談窓口の設置を求めた。
採択したのは他に、日本障害者スポーツ協会、全国高校体育連盟、日本中学校体育連盟。早大の友添秀則教授(スポーツ教育学)を座長に元選手や学識経験者ら17人で練り上げた宣言を、JOCの福田富昭副会長の呼び掛けで、集まった5団体の指導者ら約800人の拍手で採択した。【藤野智成】