講師盗撮…熊本市教委が陳謝
2013年4月28日 読売新聞
熊本市立中学校の臨時講師がスマートフォン(高機能携帯電話)を使った盗撮容疑で逮捕された24日、市教委の杉原哲郎次長らが緊急記者会見を開き、「教育への信頼を裏切る結果になった」と謝罪した。
同市が2012年4月に政令市となって以降、市長部局、市教委の職員が逮捕されたのは3人目。幸山政史市長は同日の定例記者会見で、「重く受け止め、再発防止に取り組む」と厳しい表情で語った。
逮捕されたのは、出水中で社会科を教えていた桑野健治容疑者(47)。
市教委は同日午前9時半から急きょ、会見を開いた。杉原次長は「あってはならない不祥事。生徒、保護者、市民の教育への信頼を裏切る結果になり、誠に申し訳ない」と頭を下げた。再発防止策については倫理観や人権意識を徹底させるとしたが、「どのような対策が必要かは、時間をいただきたい」と困惑した表情で語った。
桑野容疑者は県立高教諭、民間企業従業員、私立高講師を経て、11年4月、市教委に臨時講師として採用された。同中には今年4月に赴任したという。
事件を受け、市教委は同日夕、市立小中学校などの校長ら約150人を市教育センターに集め、臨時会合を開いた。広塚昌子教育長は「一人ひとりの倫理観、規範意識を一層高めるよう、全ての職員に呼びかけてほしい」と求めた。
一方、幸山市長は定例記者会見の冒頭、自ら今回の事件に触れ、「教育者としてあるまじき行為で、(市教委に)厳正な対処を求める」と語った。
政令市移行後、県警は、昨年6月に同9月には、生活保護費の返還金をだまし取ったとして懲戒免職となった市保護課の元男性職員を詐欺容疑で逮捕している。
また、市は政令市移行後、今回の事件を除き、市長部局、市教委で9件22人の懲戒処分を行っている。