川西・高2自殺 第三者委報告書 両親憤り、民事訴訟へ 兵庫
産経新聞 2013年5月3日(金)7時55分配信
■「時間の無駄だった」
川西市で昨年9月に自殺した県立高校2年の男子生徒=当時(17)=がいじめを受けていた問題で、男子生徒の両親が2日、同市内で記者会見し、高校が設置した第三者委員会の報告書について「内容が薄く残念だ」と述べ、学校の管理責任を問う民事訴訟を起こす考えを明らかにした。
この日公表された報告書は、「いじめと自殺との因果関係を認定できない」としたが、母親は「いじめがなかったら息子は自殺していない。『関連性がなかった』の一言で済まされたら私たちはどうすればいいのか」と訴えた。
川西市の第三者機関「市子どもの人権オンブズパーソン」が3月にまとめた報告書では、「いじめを含む学校内の人間関係が原因の可能性は高い」としており、母親は「(学校側の)第三者委員会は生徒の聴き取りもしているのに、オンブズパーソンの方が中身がある」と批判した。
また、父親は「何のための第三者委員会なのか。『学校擁護委員会』ではないのかと言いたい。きょうまで時間の無駄だった」と憤った。
2日は生徒の月命日。母親は「裏切られた気持ち。どう報告していいのか…」と声を詰まらせた。
一方、第三者委員会から報告書を受け取った高校の校長も同日会見し、「提言をいただいたので、今後しっかりと深く読んだうえで、再発防止について全力で取り組みたい」と述べた。