鹿児島の職員1000人上海派遣 事業への批判高まる

鹿児島の職員1000人上海派遣 事業への批判高まる
産経新聞 2013年6月11日(火)7時55分配信

 1億1800万円をかけて職員千人を上海に派遣するとした鹿児島県の海外研修問題で、事業への批判が高まっている。当の県職員労働組合からも「問題がある」との声が出ており、県議会6月定例会での補正予算案審議に影響を及ぼしそうだ。

 このうち鹿児島県高校教職員組合(野呂正和・執行委員長、約550人)は9日、海外研修を「税金の使い道としてふさわしくない」として、組合員に参加しないよう呼び掛ける方針を固めた。学校単位の分会からも反論はなく、22日開催の定期大会で決議する。

 県高教組をはじめ、自治労傘下の県職員労働組合(杉本英俊・執行委員長、約4200人)など4労組で構成する「鹿児島県地方公務員労働組合協議会」も、職員の海外研修を問題視しており、反対声明の内容を協議しているという。

 共産党県議団も8日、鹿児島最大の繁華街・天文館で研修事業に関する県民アンケートを実施。回答した291人のうち反対267人▽賛成14人▽分からない10人−と9割が反対した。松崎真琴県議は「千人規模で一律に派遣するというのは、どう考えてもおかしく、その場しのぎの対応では路線維持にもつながらない」と批判した。

 一方、伊藤祐一郎知事は、7日に開会した県議会での議案の提案説明で、研修問題に言及した。国の要請に基づく特別職や県職員給与の削減について触れた後、「このような中にあって、より一層の職員の意欲や資質の向上を図るため、成長著しい上海の産業、都市基盤、教育などの状況を直接体験する職員研修を実施することとし、時代の変化に柔軟に対応、国際感覚や幅広い視野を持った職員の育成を図っていく」と述べた。

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