<君が代パワハラ訴訟>逆転敗訴 賠償請求を棄却 広島高裁
毎日新聞 2013年6月20日(木)13時40分配信
卒業式の君が代斉唱時に起立しなかったため校長らから嫌がらせをされ、精神的苦痛を受けたとして、広島県立高校の女性教諭(49)が当時勤めていた高校の校長と教頭、県を相手取り、1100万円の損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決が20日、広島高裁であった。宇田川基裁判長は、慰謝料33万円の支払いを命じた1審・広島地裁の判決を取り消し、賠償請求を棄却した。
宇田川裁判長は「被告の行為が原告の精神疾患の改善を妨げたとはいえない」と理由を述べた。
1審判決は、嫌がらせがあったとの主張は認めなかったが、教諭がうつ状態との診断を受けた後、「校長室への呼び出しを繰り返すなどして、症状が悪化しないよう配慮する義務を怠った」として、慰謝料33万円の支払いを県に命じた。双方が控訴していた。
訴状によると、女性教諭は2005年3月の卒業式で、君が代斉唱の際、起立を求められたが、起立せず、戒告処分を受けた。校長と教頭から処分の説明を受けた際、腕をつかまれる暴行を受け、休暇申請などでも嫌がらせを受けたなどと主張していた。【黄在龍】