通知表ミス防止へ、全小中学校で11月に新システム運用/小田原
カナロコ by 神奈川新聞 2013年7月10日(水)10時0分配信
小田原市は教育ネットワークシステムを更新、11月から全小中学校で順次運用を始める。柱の一つが校務支援システムの導入。多忙化している教職員の負担を減らし、通知表の記載ミスを防ぐ目的がある。各校のホームページ(HP)をリアルタイムで更新できる機能も備え、地域への情報発信力を高める。
市教育委員会によると、新システムは2013年度から5年間の賃貸方式で民間会社と契約。契約額は約7億8500万円。インターネットの回線容量が現行の約20倍になり、データの送受信が高速化される。
また、端末を888台から1276台に増設。現場の教職員と事務員に1人1台を実現させる。回線の敷設工事は5月から始まっており、夏休み期間中に機器類を入れ替える予定。
新システムの導入で機能は大幅に向上する。校務支援システムは、出欠席日数や成績の管理など通知表作成に関わる作業などを効率化。各校個別の表計算ソフトを使用していたことが、ミスを誘発したとの反省に立って改善する。統一した手順に変わることで「人事異動に伴う作業の不慣れも減らせる」という。
市内の小中学校では10年度前期以降、通知表の出欠席日数や評価・評定を誤る問題が相次いで発生。市教委が設置した「通知表事故調査委員会」が12年1月にまとめた再発防止に向けた提言の中に、校務支援システムの導入が盛り込まれていた。
市教委は慎重を期すため、成績処理でのシステム使用は14年度からにする。機器類が整う11月以降、教職員の研修や試験運用など「準備期間を十分に取りたい」という。
このほか、学校ごとに開設しているものの、内容更新の遅れが目立つHPについては、作業を簡略化できる支援システムを11月から一斉にスタートさせる。
また、災害や事故の対応を強化する、一元的な緊急情報発信システムを14年4月に運用を開始する。
教育ネットワークの更新に向けては、市教委が12年4月に検討会を設置、静岡県富士市の学校を視察するなどして導入すべき機能などを調査研究した。
中でも校務支援システムは、通知表ミスが起きた横浜市でも13年度に導入。運用上の課題として、使い勝手や習熟度の差異などが指摘された。
小田原市教委は「校務支援システムがあれば、通知表ミスが起きないとは考えていない。入力の回数は大幅に減るが、その結果を複数で確認し合うなど人的チェックの重要性は変わらない」と説明。導入済みのチェックシートは見直しを行い、継続する考えだ。