湯河原・中1自殺 「日常的いじめが関係か」 町教委が初の見解

湯河原・中1自殺 「日常的いじめが関係か」 町教委が初の見解
カナロコ by 神奈川新聞 2013年7月17日(水)6時0分配信

 湯河原町立湯河原中学校2年の男子生徒(13)が4月に自殺した問題で、町教育委員会は16日、調査結果を公表した。同じ運動系部活動の同級生からの暴力や嫌がらせが昨年7月以降にひどくなったと認定。命を絶った前日にもそうした行為があったとし、「日常的ないじめが自殺に関係した可能性がある」などとする見解を初めて示した。来月にも第三者委員会を発足させ、因果関係を詳しく調べる。

 町教委は16日夜、保護者説明会を開催。終了後に記者会見した篠原通夫教育長は「明らかになった事実に向き合い、二度とないよう取り組みたい」と述べた。

 町教委が全校生徒へのアンケートや加害生徒からの聞き取りでいじめと判断した行為は、主なもので20近く。柔道技で倒す、馬乗りになる、頭や頬を手でたたくといった暴力行為のほか、物を隠す、ハーフパンツを下げる、部室に閉じ込める、筆箱を投げる、かばんを持たせる、顔にいたずらをするといった嫌がらせや強要があったとした。

 いじめが激しくなったのは、3年生が部活を引退した昨年7月半ばから。「多くの行為が体育館で行われ、顧問が見ていない部活の最中もあった」とし、顧問ら教員は気付いていなかったとあらためて強調。また、生徒が自殺した前日の4月9日にも、腕を引っ張り教室に戻れないようにする行為があったとした。

 遺族には今月上旬に調査結果を説明。「学校は本当に気付かなかったのか」などと問われたという。

 保護者説明会に出席した3年生の父親(43)は「気付かなかったというのは信用できない。教員や教育委員会の意識を変えるべきだ」、2年生の父親(42)は「納得できるような説明はなかった」と不満を口にした。

 この問題で県警は同級生3人を暴行の非行内容で児童相談所に送致。児相は3人を家裁送致した。

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