5大学に寄付金11億円…高血圧薬データ改ざん
読売新聞 2013年8月10日(土)10時30分配信
高血圧治療薬「ディオバン」の臨床研究のデータが改ざんされていた問題で、真相究明などに当たる厚生労働省の有識者委員会(委員長=森島昭夫・名古屋大名誉教授)の初会合が9日、開かれた。
データ操作を認めた慈恵医大、京都府立医大と、「意図的な改ざんの証拠はない」とする販売元のノバルティスファーマの調査結果の食い違いが改めて浮き彫りになった。
また、元社員(今年5月退職)が研究に関与した5大学に、ノバ社から支払われた奨学寄付金が計11億円を超すことも明らかになった。
会合には、5大学とノバ社の代表者らが出席。これまでの調査内容を報告した。京都府立医大と慈恵医大は「データ操作が認められた」「データ解析は元社員にまかせていた」などと説明。千葉大と滋賀医大からも「血圧のデータの4%でカルテとの違いがあった」「カルテからの入力ミスなど初歩的なミスがたくさん出ている」と調査の途中結果が報告された。一方、ノバ社は「元社員が意図的な改ざんを行った証拠は見つからない」と主張した。