(朝鮮日報日本語版) 「怒り」を抑えられず生徒をたたく教師たち

(朝鮮日報日本語版) 「怒り」を抑えられず生徒をたたく教師たち
朝鮮日報日本語版 2013年9月20日(金)6時22分配信

 教室で感情のコントロールができずに暴力を振るってしまうのは、何も生徒たちに限ったことではない。生徒の手本となるべき教師までも、感情を抑えることができずに生徒に手を出してしまうケースは少なくない。

 今年2月、ソウルのある中学校で、怒りを抑え切れずに生徒の髪の毛を引っ張り回し、頬をたたいたとして、体育教諭に100万ウォン(約8万6000円)の罰金が科せられた。この体育教諭は昨年3月、男女混合のバスケットボールの授業で、ある女子生徒が男子生徒に向かってボールを転がしたところ「なぜ男子生徒に向かってボールを転がすのか」と生徒を叱り付けた。これに対し、生徒が「わざとやったわけではないのに、なぜそう言うのか」と言い返したところ、教諭は生徒の髪の毛を引っ張り回した。教諭はその後も、授業時間に遅れて来た生徒に対し「立っていろ」と指示した際に生徒がこれを拒否すると、生徒の頬をたたいて押し倒し、膝とわき腹を蹴飛ばした。

 昨年10月には、釜山のある私立高校の教頭が瞬時の怒りを抑え切れずに生徒をたたくという事件が発生した。教頭が教室を見回っていたところ、スマートフォンで音楽を聞いている1年生の生徒を見つけた。この行為は同校で禁止されているため、教頭が叱り付けたところ、生徒が「イヤホンを使っていただけで、スマートフォンは使っていない」と答えた。これを聞いた教頭は、生徒がうそをついたと激怒して、生徒の両の頬をたたいた。教頭の一連の行動は学校の監視カメラで撮影されており、警察の調査を受けることとなった。

 さらには、生徒と教師が互いにたたき合う動画がインターネットで公開されたこともある。2012年11月、慶尚南道狭川郡のある小学校で5年生の児童と50代の女性教諭が互いに頬をたたき合う場面を同クラスの児童が撮影したのだ。後ろに立たされていた児童がいたずらをしたところ、これに頭に来た女性教諭が児童を押し倒し「カッ」となった児童が教師の頬をたたいてしまったのだ。こうした現状に対し、教師たちも瞬時の怒りを抑えることは難しいという。韓国教員団体総連合会が最近、教師594人を対象にアンケート調査を行った結果、50.3%(297人)の教師が「最近1学期間で生徒指導の難しさやその他のストレスなどにより、自分も知らない間に頭に来て大声を出したり、体罰を加えたり、暴言を口にしたりしてしまったことがある」と回答した。

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