相原中・柔道部員が体罰訴え、道場館長は否定/相模原
カナロコ by 神奈川新聞 2013年10月22日(火)0時0分配信
相模原市立相原中学校(同市緑区)の複数の柔道部員が、市教育委員会から委嘱を受けて部員を指導している「相武館吉田道場」(同区)で体罰を受けたと市教委の調査に訴えていることが21日、分かった。
道場を運営する男性館長(36)は市教委に対して体罰や暴力行為について否定し、神奈川新聞社の取材にも「試合のときに背中をたたいて気合を入れることがある。そうした動作を練習でやった。暴力の認識はない」と説明。市教委は道場に「誤解を招かれないように十分注意してほしい」と改善を求めた。県柔道連盟も実態調査を行う。
同校柔道部は、北京五輪の女子柔道で銅メダルを獲得した中村美里選手を輩出するなど強豪として全国に知られている。
市教委は、関係者からの訴えを受け、9日に柔道部員23人に無記名のアンケートを実施。3人が「平手打ちされた」「軽く蹴られた」などと回答し、別の1人は「(体罰に関して)言うなと言われている」と答えたという。一方、男性館長は委嘱を受けている「外部指導者」を辞任する意思を市教委に伝えた。
また関係者の訴えの中にはセクハラ行為を受けたとの情報があったが、男性館長は市教委の調査や取材に一貫して否定した。ただ市教委に対して「疑われても仕方がない行為」として、当該の指導者を指導の担当から外したという。
道場では外部指導者の男性館長ら2人をはじめ、複数の指導者が同校柔道部員を教えており、部員全員が道場を中心に練習。約20人は道場に併設されている寮で生活している。同校の松本雅之校長は学校側の責任について「学校敷地内での活動ではなく顧問もついていないため、いわゆる(学校が認めた)部活動ではなかった」との認識を示したが、「(道場側に)お任せしていた部分が大きくなり過ぎていた」とも釈明した。
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相原中柔道部体罰問題 加山市長「部活動の一部」、市教委の説明に苦言/相模原
カナロコ by 神奈川新聞 2013年10月22日(火)23時30分配信
相模原市立相原中学校(同市緑区)の柔道部員が、市教育委員会の委嘱で指導する「相武館吉田道場」(同)の指導員から体罰を受けたと訴えている問題で、加山俊夫市長は22日の会見で、「市教委や学校はもう少し注意を払い、入り込んだ指導が必要だったのではないか」と述べ、「学外活動であり部活動ではない」とする市教委などの説明に対し苦言を呈した。
市教委は校長の申請に基づき、道場の男性館長と別の男性の計2人に指導員を委嘱、部員は道場を中心的な練習拠点として活動してきた。
加山市長は「(館長らを)外部指導員として委嘱している。部活動の一部」との認識を示した。その上で、学校側の責任範囲について「単純に学校内とそれ以外に線を引いて、校外なので関係ないとするのは理解できない」と語った。
また、2009年にも、同道場の男性指導員が当時2年生だった男子部員に平手打ちをし、左耳の鼓膜を破るけがを負っていたことが判明。市教委は当時、この事実を把握せず、10年度からこの男性に外部指導員を委嘱した。市教委は「10年10月に外部からの通報があって分かった。道場側が再発防止を約束したので、委嘱を継続した」と説明している。
加山市長の指摘について、岡本実教育長は会見後、「道場での練習は、委嘱している時間帯と場所と異なる。部活動ではなく、あくまで生徒の自主的な活動」との認識をあらためて示した。
男性館長は神奈川新聞社の取材に対し、「関係者に迷惑を掛けており、外部指導員を辞任したい。市教委にも伝えた」と話したが、市教委は「子どもが混乱せずやっていけるよう、仕組みを検討したい」と受理の可否には言明を避けた。
同校柔道部をめぐっては、部員23人を対象に市教委が今月9日に実施した無記名アンケートで、3人が「平手打ちされた」「足元を蹴られた」などと記述。市教委が道場に指導していた。