インドの毒入り給食事件、校長夫妻を訴追
AFP=時事 2013年10月22日(火)11時25分配信
【AFP=時事】インド東部ビハール(Bihar)州の小学校で、7月に猛毒の殺虫剤が混入した給食を食べた児童23人が死亡した事件で、この小学校の校長夫妻が21日、殺人罪などで訴追された。
今年7月16日に同州の貧しい村にある小学校で起きた事件では、4〜12歳の児童が校内で調理された給食を食べた直後に次々と体調を崩した。
地元警察当局によると、校長のミーナ・デビ(Meena Devi)容疑者と夫のアルジュン・ライ(Arjun Rai)容疑者は、殺人や殺人未遂など少なくとも5件の罪に問われている。
警察は、容疑者夫妻が事件発生2日前に殺虫剤を購入し、調理器具が置いてある部屋で保管した後に、意図的に給食に混ぜて児童らに食べさせたとみている。【翻訳編集】 AFPBB News
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以下、この事件の記事を時系列に並べます
学校給食に毒物混入か 児童少なくとも22人が死亡 インド
CNN.co.jp 2013年7月17日(水)19時15分配信
(CNN) インド北東部ビハール州で16日、学校給食を食べた児童らが体調不良を訴え、地元当局者によると少なくとも22人が死亡、25人余りが病院で手当てを受けている。
同州の教育相は、給食に有機リン系殺虫剤が混入していたとの見方を示した。有機リン系殺虫剤は農薬によく使われ、大量に飲み込むと不整脈や呼吸困難、まひ、けいれんなどの中毒症状が起きる。
死亡したのは同州サラン地区の村に住む8〜12歳の子どもたちとされる。地区の教育当局者はCNNに、地域の病院に収容された子どもたち31人が16日夜、州都の病院へ移されたと語った。
事態を受けてサラン地区中心部では17日に激しい抗議デモが起き、政治家らがゼネストを呼び掛けた。
同国では2001年の最高裁判決以降、13歳未満の子どもたちに無料で給食を提供することがすべての公立学校に義務付けられている。
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インドの毒入り給食による児童死亡で住民が抗議デモ
ウォール・ストリート・ジャーナル 2013年7月18日(木)12時27分配信
【ニューデリー】インド東部ビハール州当局は17日、少なくとも22人の児童が死亡した給食について、殺虫剤に使われる化学物質が混入していた可能性があると発表した。インドでは給食プログラムをめぐる一連の健康問題が発生しており、地元では何百人もの人々が抗議行動を展開した。
ビハール州の州都パトナから約65マイル(約104キロメートル)離れたガンダマン村の小学校では8-12歳の児童が16日、昼の給食後に体調を崩した。吐いたり、失神したり、口から泡を吹いたりした児童もいた。ビハール州はインドで最も貧しい州の1つ。
同州のP.K.シャヒ教育相によると、暫定的な調査で給食に有機リン化合物が含まれていたことが明らかになった。有機リンは農業用殺虫剤によく使われており、化学的にはサリンなどの神経ガスと似ている。給食がどのようにして汚染されたのかは不明。
警察当局は小学校のミーナ・クマリ校長の行方を捜している。シャヒ教育相によると、クマリ校長は給食の準備に使う油がおかしいという学校の調理師の主張に耳を傾けなかったという。
米、豆とポテトカレーという給食を試食した後、その調理師も体調を崩して入院した。警察関係者によると、死亡した児童の中にはこの調理師の子も含まれていた。
シャヒ教育相によると、「油は新しいブランドだというだけで、問題ないと校長は話していた」という。給食の材料はクマリ校長の夫が経営する店から調達していた。警察はこの校長の夫の行方も捜している。
学校のあるチャプラ地区のクマー警察本部長によると、ビハール州で提供される給食の材料は同校長の自宅で保管されていた。同本部長は「彼女は死亡が報告されて以降、行方不明だ」と話し、保護者の反発を恐れているのかもしれないと付け加えた。
同本部長によると、17日午前に、棒を持った何百人もの地元住民が街頭で抗議活動を行った。
同本部長は「彼らは警察車両4台に火を放ち、公共の財産を破損した」と述べたが、事態は収拾されたと付け加えた。テレビの映像には、こん棒を持った警官が男性をたたいている場面が映っていた。
小学校の給食はインド政府の「ミッドデイ・ミール(昼食)」プログラムを通じて提供されていた。このプログラムは政府系の学校に通う児童が少なくとも1日1回温かい食事を取れるようにすることを目指している。インドは食べ物の入手が困難な人の数が世界で最も多い。
この政府のプログラムを通じて与えられた給食を食べた後に児童が体調を崩すケースはこれまでにも多々あったが、今回ほど深刻なことはなかった。州都パトナでは依然として24人を超える児童が入院している。シャヒ教育相によると、うち3人の容体は深刻だが、医師は回復するだろうと言っているという。
クマー本部長は「児童は栄養状態が良くないため、殺虫剤の影響を非常に受けやすい」と述べた。
6月27日には西部ゴア州の23人の児童が、今月には中部マディヤプラデシュ州で少なくとも15人の児童が体調不良を訴えた。地元メディアは給食の入っていた容器の1つからトカゲが見つかったと報じていた。
インド政府は毎年、約60万校におよそ250万トンの穀物を供給しているほか、調理器具、調理スタッフやその他の材料(野菜や食用油など)について助成金を支給している。
このプログラムは同国の主要な食料調達機関であるインド食料公社(FCI)によって一元管理されている。FCIは穀物をインドの農家から購入し、貯蔵する倉庫の手配をする。穀物はここから各州に分配される。
ただし、その後の流通と給食の準備は州政府が責任を負う。給食の準備と配送が非営利団体に委託されている場合もある。
シャヒ教育相によると、ガンダマンの小学校では、クマリ校長が野菜、食用油やその他の材料を同校長の夫の経営する店で購入していた。
ニューデリーに本拠を置くシンクタンク、Center for Policy Researchがビハールとウッタルプラデシュの両州の無償の給食プログラムについて1年間調査を行ったところ、穀物の保管や配送のほか、調理の監視に問題が見つかった。
2001年に最高裁判所から同プログラムの監督者に指名されたN.C. Saxena氏は、児童が体調不良を起こすケースは概して独立して発生しており、他との関連がないと指摘している。
同氏は「質がとても良いとは言えない。これは懸念事項だが、加熱すれば大半の菌は死ぬ」と述べ、「穀物が2年以上貯蔵されると、質が問題になる」と付け加えた。
政府は小麦や米といった穀物を農家から買い上げることを保証しているため、倉庫にはプログラムに必要な量以上の穀物があふれている。この結果、穀物は最大3年間、ひどい状態で保管されていることが多い。
Saxena氏によると、多くの州は依然として同プログラムの下での食事の提供が困難で、ビハール州でも学校で無償の給食を提供できているのは約半数しかないという。
Center for Policy Researchによると、配送システムも穀物のもれや盗難に悩まされており、学校が低品質の穀物を受け取ることは少なくない。
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給食から殺虫剤検出、別の学校でも中毒騒ぎ インド
CNN.co.jp 2013年7月21日(日)11時37分配信
(CNN) インド北東部ビハール州の学校で給食を食べた児童ら23人が死亡した事件で、警察は20日、給食のサンプルから殺虫剤が検出されたと発表した。一方、同国西部ゴア州の学校でも19日、給食を食べた児童ら20人余りが病院へ運ばれる騒ぎがあった。
警察幹部が記者団に語ったところによると、ビハール州の学校の給食に使われた容器入りの油や食器に付着していた料理の残りから、有機リン系殺虫剤のモノクロトホスが検出された。有機リン系殺虫剤は農業用として広範に使われ、大量に飲み込むなどすると不整脈や呼吸困難、まひ、けいれんなどの中毒症状を起こす。
州当局者がCNNに語ったところによると、同校の調理担当者2人のうち1人が事件当日、校長に「調理用のからし油の外見やにおいがおかしい」と訴えたにもかかわらず、校長は調理を続けるよう指示したという。校長は現在姿を消していて、警察が行方を捜している。
この調理担当者も給食を食べて体調不良を訴え、自身の子ども3人とともに入院中。もう1人の担当者はこの日の給食を口にしなかったが、同校に通う3人の子どものうち2人が死亡し、1人が入院しているという。
警察によれば、殺虫剤が意図的に混入されたのか偶然だったのかは明らかでない。ビハール州の学校給食の安全性を巡っては、当局から数カ月前に警告が出ていたとの情報もある。死亡した児童の遺族らは、学校の建物の前に遺体を埋葬するなどして抗議した。周辺の地域では住民らがデモを実施し、子どもたちが給食を食べるのを拒否するなど、波紋が広がっている。
ゴア州の学校では19日、3年生から5年生の児童少なくとも23人が給食の後で体調不良を訴えて病院に収容された。地元警察幹部によると、全員が手当てを受けて帰宅した。同校は政府の補助を受けて運営されている私立学校。警察が捜査に着手したという。
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警察が校長の行方追う インドの給食毒物混入事件
CNN.co.jp 2013年7月24日(水)9時44分配信
インド・パトナ(CNN) インド北東部ビハール州の公立小学校で給食に毒物が混入され、児童など23人が死亡した事件で、警察は23日、姿を消した校長の行方を追っていることを明らかにした。
この学校の校長は、夫と共に行方が分からなくなっているといい、警察は専従班を組織して、校長の自宅周辺などで重点的に捜索を行っている。
この事件では7月16日に同校の給食を食べた25人が体調不良を訴えた。給食を調べた結果、容器などに残っていた油や食品から殺虫剤の成分が検出された。
当局は、助かった児童も含めてこれまでに40人から事情を聴いている。給食を作った調理師も自分の給食を食べて入院したといい、警察の調べに対し、調理に使ったからし油の異常を校長に訴えたにもかかわらず、料理を続けるよう校長から指示されたと話しているという。
事件の翌日には住民が暴徒と化し、警察の車両少なくとも4台が放火された。抗議の意を込めて、死亡した子どもを学校の校舎前に埋葬した親もいるという。
警察は、校長が姿を見せた場合、または拘束された場合、身の安全は保証するとしている。
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インドの給食中毒事件で校長を逮捕
ウォール・ストリート・ジャーナル 2013年7月25日(木)10時41分配信
【ニューデリー】インド東部ビハール州の小学校で給食を食べた児童23人が死亡し、数十人が病院に運ばれた事件で、警察は24日、校長のミーナ・クマリ容疑者を逮捕したと発表した。
クマリ容疑者は事件が発生した16日以降、行方不明になっていた。警察によると、同容疑者は自ら地元の裁判所に出頭しようとしていたところを逮捕された。学校があるチャプラ地区のスジェット・クマール警察本部長は「われわれの主な関心は彼女を取り調べ、詳細な事情を知ることに移った」と述べた。
チャプラの裁判所は22日に校長の逮捕状を出し、23日夜には出頭しなければ校長の財産を没収するとしていた。この通告は校長の自宅に届けられ、現地の新聞にも公告された。校長やその家族との接触の試みは成功せず、校長の弁護士も公の発言をしていない。
児童が食べた給食の中から通常使用される濃度の5倍の殺虫剤が検出されたのを受けて、警察は校長の自宅やその両親、親類の家を捜索した。
事件が起きた学校はビハール州の州都パトナから約60マイル(96キロ)、チャプラの町から25マイル離れたガンダマン村にあり、事件後は閉鎖されている。遺族たちは児童の遺体の多くを校庭やその近くに埋葬した。
クマール氏は22日、捜査対象の中心にいるのは校長であることを明らかにし、「全てが彼女を指し示している。給食の中になぜこれほど大量の殺虫剤が使われたのか調べている」と述べた。州の教育相によると、調理師は、給食の用意をしている時に食用油の異様な色と不快な臭いに気づいたが、校長はそのまま児童に与えるように指示したという。この調理師も同じものを食べたあと病院に搬送された。
校長の夫のアルジュン・ライ氏と登校していなかった2人の子供の行方は依然分かっていない。ただ、この3人には逮捕状は出ていない。クマール氏は「夫が事件に関与していなかったかどうか捜査している」と話した。
警察は捜査の過程で、校長夫妻の自宅から空の殺虫剤の瓶を見つけた。夫妻は農園を持っているという。
この事件が起きたことで、インド全国の学校で無償の給食を出す政府の施策への懸念が浮上した。ビハール州の学校給食担当者のトップであるラクシャマナン氏が先週末に語ったところでは、共同捜査を行っている地方政府と警察の当局者は、ガンダマン村のこの学校の調理設備は不十分で、衛生状態も良くないと指摘したという。この学校は1部屋しかなく、調理師は屋外で給食の用意をしていた。
今回の事件ではマスタードオイルを入れておいたプラスチック容器や食器、残された野菜から毒性の高い化合物モノクロトホスが見つかった。ラクシャマナン氏は、学校があるチャプラ地区の学校給食計画担当者は解雇されたと述べるとともに、各学校には無償給食計画で使う食品を厳しくチェックするよう求めたことを明らかにした。現在のガイドラインでは、児童に食事を出す前に調理師と教師が食べてみることになっている。
同氏はまた、調理師には適切な衛生状態を守るように訓練し、これを監視するために保護者に交代で学校に来てもらうと述べた。さらに、屋根のない調理室など不十分な設備の学校はこれを閉鎖したり、近隣の学校と統合するなどの措置を取る計画だという。
当局は事件のあった小学校の閉鎖を続ける方針。ビハール州のニティシュ・クマール首相は24日、新しい学校と診療所をガンダマン村に造ると述べた。