<暴行>千葉の柔道部しごきの被害者「なくなってほしい」
毎日新聞 2013年10月31日(木)19時24分配信
私立東京学館高校(千葉県酒々井町)の柔道部で2008年、先輩5人に暴行を受けたとして、5人と顧問、同校側の責任を問う民事訴訟に勝訴した当時の1年生部員、木村功一さん(20)が31日、千葉市内で記者会見した。退学を余儀なくされた精神的苦痛を認め、学校法人も含め計約260万円の支払いを命じた30日の千葉地裁判決について、「同じようなこと(しごき)がなくなってほしい」とスポーツ界に残る暴力の一掃を訴えた。
判決によると、木村さんは特待生として入部した同年4月、当時2年生の先輩らから殴られたり、ロープを昇降するなどの「筋トレ」を強要されるなどした。判決は「暴行は一方的かつ執拗(しつよう)」、「『筋トレ』は苦痛を与える目的だった」などと指摘し、顧問や学校側の管理責任も認めた。
会見で木村さんは先輩の暴行について「悔しい。スポーツマンとして恥ずかしくないのかと思う」と批判し、顧問による暴行が認められなかった点は「納得いかない」とした。「人と関わると、またやられるのではないか」との不安があり、今も進学や就職ができず、自宅にこもりがちな日々だという。
同席した代理人弁護士は「顧問や学校の責任を明らかにできた。柔道界の暴力的な体質に警告を与えた」と一定の評価をした。
同校は「顧問弁護士に任せているのでコメントできない」とした。【黒川晋史】