<中3自殺>第三者委「侮辱的呼び名、原因」 東京・足立

<中3自殺>第三者委「侮辱的呼び名、原因」 東京・足立
毎日新聞 2013年11月21日(木)20時45分配信

 東京都足立区で2010年10月、区立中3年の男子生徒が学校でいじめを受け、自殺した問題で、いじめと自殺の因果関係を調査していた第三者委員会(委員長・横湯園子元中央大教授)は21日、「生徒を侮辱的な呼び名で呼ぶ行為が1年生のころから繰り返され、いじめと自死との因果関係は明確」とする調査報告書をまとめ、近藤弥生区長に提出した。区はこれまでいじめを認める一方、自殺との因果関係は不明としてきた。

 男子生徒は10年10月25日に自宅で自殺し、学校の聞き取り調査で複数の同級生が侮辱的な呼び名でからかうなどのいじめが確認された。生徒の遺書にも呼び名について「死にたいと思う原因はこれくらい」という記述があったが、区教育委員会は11年1月に「自殺との因果関係は不明」とする調査報告書をまとめた。これに対し、両親が第三者による再調査を求め、外部識者4人による調査委員会が設置された。

 区教委が当初、「因果関係は不明」としたことについて、21日に記者会見した調査委員会の亀田徹副委員長(PHP研究所教育マネジメント研究センター長)は「遺書から判断すれば因果関係があったと判断すべきだった」と指摘。近藤区長も同日の会見で「判断が甘かった」と陳謝し、年明けにも区長部局に第三者委のような付属機関を設置し、いじめ問題に対応する方針を明らかにした。

 遺族の代理人弁護士は「二度とこのようなことが起こらないことを心から願います」という遺族のコメントを読み上げた。一方、区は第三者委の61ページの報告書を遺族に示したが黒塗りの部分も多く、「親であっても知ることができないのは遺憾」と疑問を投げかけるコメントも寄せた。【戸上文恵、藤沢美由紀】

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする