福山市明王台の主婦殺害事件 被告に懲役15年判決 広島地裁

2001年2月に広島県福山市明王台5丁目の民家で主婦=当時(35)=が刺殺された事件で、殺人と住居侵入の罪に問われた無職竹森幸三被告(70)=同市西新涯町1丁目=の裁判員裁判の判決が12日、広島地裁であり、後藤有己裁判長は求刑通り懲役15年を言い渡した。 1月30日に始まった公判で、竹森被告は「記憶にないから分かりません」と起訴内容を否認し、無罪を主張していた。事件発生から約20年後の21年10月、広島県警が竹森被告を逮捕する決め手となったDNA鑑定の結果の評価が最大の焦点となっていた。 検察側はこれまでの公判で、現場に残された主婦の靴下の血痕から検出されたDNA型が、竹森被告の型と一致したと指摘。抵抗する主婦に何度も攻撃した態様に触れ、「被害者は全く落ち度がなく、非難の程度は甚大。20年間逃亡し、反省の態度は全くない」として当時の有期刑の上限である懲役15年を求刑した。 これに対し、弁護側は昨年実施された血痕のDNA鑑定の結果について、個人を識別する21座位のうち6カ所で被告と異なる型が検出されたなどとして「血痕に被告の型が含まれると判断できない」と反論。現場のナイフや足跡といった証拠では立証が不十分とし「被害者と面識がなく、動機もない。被告が殺害したとするには疑問が残る」と訴えていた。 竹森被告は01年2月6日午前11時半ごろから午後1時ごろまでの間、主婦方に侵入し、主婦を果物ナイフで刺すなどして殺害したとして起訴されていた。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする