小学校教諭の団体、補助金43万円を「不正流用」 福岡
2009年2月9日12時50分 朝日新聞
福岡市立小学校の教諭らでつくる同市小学校生徒指導研究委員会に対し、市が06、07年度に支出した補助金157万円のうち、43万円が使途不明になっていることが9日、市監査委員の監査で分かった。研究委員会の経理担当は、会合の菓子代や酒食を伴う懇親会などに流用したと認めており、領収書の偽装工作までしていた。市監査事務局は「好ましくない」と批判している。
研究委員会は、生徒指導に関する研修や児童の表彰などをする組織。教諭ら約20人で構成している。
市監査事務局によると、市は06年度に96万円、07年度に61万円を研究委員会に補助した。だが、市に提出する報告書には使い道が記されているだけで、領収書は添付されていなかった。
このため、市監査委員が領収書の提出を求めたところ、日付が空欄になっていた古い領収書に新たに日付を書き込んだり、研究委員会の委員長の校長名で領収書を切り、本来無料であるはずの学校を研修の会場として借りた形にしていたりするなど偽装していたものがあった。
研修後の街頭での見回りに対しても、07年度には9万5千円の補助金が支払われていたが、実際は見回りはしていなかった。
市監査委員は、領収書が提出されなかった分も含め、使途不明金が06年度に21万円分、07年度に22万円分に上ると判断。延滞金も含め計46万円の返還を求めた。
研究委員会の経理担当は「事務処理について詳しくなかった」と釈明する一方で、補助金を目的外使用したことについては「慣例になっていた」と認めている。