小6女児監禁事件 「まさかこんな近くで」 住民、保護者ら不安広がる
2009年3月16日7時7分配信 西日本新聞
長崎市の小6女児監禁事件の発覚から一夜明けた15日、容疑者が元臨時教員だったことも明らかになり、関係者に動揺が広がった。市教委は臨時校長会を開き、通学時の安全管理の徹底を指導。女児が通う学校の保護者は「こんな身近な場所で」と不安を募らせた。
臨時校長会には小中学校の校長約110人が出席し、馬場豊子教育長が「自分の学校で起きたこととして対策に励んでほしい」と要請したが、中川太容疑者(35)が市内の小学校にも勤務していたことには触れなかった。
被害女児が通う小学校では保護者説明会があり、校長が6年生の保護者約75人に事件の概要を説明した。終了後、6年生男児の父親(40)は「息子も塾に通っているので心配。今のところ変化はないが、普段通りに接し、不安を取り除いてあげたい」と話した。
中川容疑者の元同僚は戸惑いを隠せなかった。五島市内の小学校で同時期に勤務した教員は「教材の解釈について先輩教師に強く自説を語っていた。よく言えば熱心、悪く言えば世渡り下手。個性的な人柄が悪い方向に向かってしまったのでは」。長崎市内の小学校の同僚は「業務上の提出物が遅れることもあり、だらしない印象があった。犯行が事実なら、同じ教育者として許せない」と憤る。
中川容疑者と同じアパートに住む男性は「容疑者は冬も窓を開けっ放し。(事件発生後の)13日夜も開いていたが、女の子の姿を見たり声を聞いたりはしなかった」と話す。近くに住む主婦は「身近にそんな人がいたら、どうやって子どもを守ればいいのか分からない」と話し、小学1年の娘の手を握り締めた。
=2009/03/16付 西日本新聞朝刊=