体罰・セクハラ相談窓口:県立全校に設置、複数教員を担当に−−県教育長会見 /広島

体罰・セクハラ相談窓口:県立全校に設置、複数教員を担当に−−県教育長会見 /広島
2009年3月17日17時1分配信 毎日新聞

 榎田好一県教育長は16日、新年度から全県立学校に体罰・セクハラ相談窓口を設置する方針を定例記者会見で明らかにした。児童生徒に対する体罰やセクハラ・わいせつ事案での懲戒処分が続発していることを受けての対応で、複数の教員を担当に任命する。榎田教育長は「憂慮すべき事態だ。子どもたちが相談しやすい環境作りに努め、体罰やセクハラ事案を無くしていきたい」と語った。また、公立小中学校についても、各市町教委を通じて、設置を求めていくという。【上村里花】
 今年度、児童生徒への体罰による懲戒処分は11件と前年度5件の倍以上となっており、記録のある03年度以降、最多を記録している。セクハラ・わいせつによる処分も今年度5件(前年度7件)に上っている。なかには、長年に渡り、複数の教え子に対し、わいせつ事案を繰り返したとして刑事裁判中の悪質な事案もあった。
 さらに体罰事案でも、生徒に詳しく事情を聞く中で過去に同様の体罰があったことが判明したケースがあったという。
 榎田教育長は「早い段階で状況を把握できていれば、被害が増えなくて済んだ事案もあった。(教職員が)一歩踏み込んで、子どもたちに事情を聞こうという姿勢に欠けていたのではないかと感じる」と述べた。新設する相談窓口は、各校2人以上の教職員を担当とし、うち1人は女性を指名する方針。「子どもたちが相談しやすい環境を作りたい」と話した。また、各校長に対しては、定期的に子どもたちに相談窓口の存在を周知するとともに、被害にあった場合は早く相談するよう呼びかけ、学校全体で相談しやすい体制づくりをすることを求める。

3月17日朝刊

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