県と教育庁、違う基準 懲戒職員氏名公表
2009年7月17日9時35分配信 琉球新報
県と県教育庁が所管する地方公務員の懲戒処分に伴う氏名公表の取り扱いが、同じ県情報公開条例の実施機関でありながら、基準と対応が異なっていることが16日までに分かった。
2007年に制定された県の「懲戒処分等公表の指針」では、「収賄事案等県の信用を著しく失墜させる事案であって、県及び職員の責任を明らかにする必要がある場合等には、氏名も公表する」と明記されているが、01年に作られた県教育庁の「懲戒処分の公表等に関する取扱要領」には、氏名に関する明記は一切ない。
県の指針では、懲戒処分の公表は「個人が識別されない」ことを基本としながらも、ただし書きで氏名を公表する場合を明記。人事課は「懲戒免職になる大きい事案」と説明する。
県教育庁は従来、「社会的制裁が目的ではない。氏名を公表せずとも再発防止などの目的は確保できる」として、同要領を理由に懲戒免職であっても氏名は公表していなかった。
懲戒処分に伴う氏名公表の取り扱いなどに関し金武正八郎教育長は16日、県教育庁で会見し「要領は見直すのが基本。時代も法律も変わるので、それに照らし合わせて県民に説明できる要領にしたい。見直しも含めて検討したい」と述べ、県の指針との整合性や、他県の状況や情報公開条例などとの関係を踏まえ、総合的に判断する考えを示した。
条例に詳しい専門家は「教職員を含む県職員の職務に関する情報は、県の情報公開条例に基づき公開が原則。県教育庁は上位法に当たる同条例を踏まえて要領を作ったのか」と疑問を投げた。氏名公表の扱いが異なる点は「同じ地方公務員で同じ条例の実施機関であるにもかかわらず、対応が異なるのであれば、説明をすべきだ」と指摘した。