4日に尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領弾劾事件の宣告を行う予定の憲法裁判所は、国会が弾劾訴追理由として提示した5大争点を基準に、違憲性と違法性に照らし合わせて最終判断を下す。非常戒厳宣布の違憲性▽戒厳令第1号▽軍と警察を動員した国会掌握の試み▽令状のない押収や逮捕など選挙管理委員会掌握の試み▽政治家や法曹人などに対する逮捕指示のうち一つでも重大な違憲・違法だと憲法裁で認められれば、尹大統領は罷免に至る可能性がある。第4〜10回弁論の過程で、16人の証人が憲法裁に出席し、尹大統領の非常戒厳宣布にともなう違憲・違法行為を具体的に証言した。 最も基礎的な争点は、尹大統領の12・3非常戒厳宣布が、憲法と法律が定めている手続きと要件を満たしているかどうかだ。 尹大統領は「非常戒厳宣布は高度の統治行為」だとし、野党が弾劾を乱発したことなどを名目に掲げ、正当性を主張してきた。一方、国会側は憲法が定めた戒厳発動状況(戦時・事変またはこれに準ずる国家非常事態)ではなかったため、戒厳の宣布そのものが違憲・違法だと反論した。非常戒厳宣言前に行われた「5分間の国務会議」の適法性も重要な判断基準になる。 これについて、ハン・ドクス首相は2月20日、弾劾審判第10回弁論で、「戒厳宣布前の国務会議は通常の国務会議ではなく、形式的・実体的な欠陥があったのは事実」だと証言した。 政治活動禁止、言論・出版の統制などの内容を盛り込んだ戒厳令第1号の違法性も主要争点だ。国会側は、国会活動と政党の政治活動を禁止する条項が含まれている違法な布告令だと指摘した。 尹大統領側は、キム・ヨンヒョン前国防部長官が過去の布告令を誤ってそのまま写したと主張し、4回目の弁論ではキム前長官を尋問する際、「『(布告令は)上位法規にも違反し、内容が具体的でないため、執行の可能性もないが、そのままにしておきましょう』と(尹大統領が)言ったが、覚えているか」と尋ねた。布告令が上位法規である憲法に反するという点を認識していたと自ら認めたわけだ。 戒厳軍と警察が国会を封鎖して国会活動を妨害しようとしたという疑惑は、弁論過程で様々な証言で裏付けられた。尹大統領側は「秩序維持」のためだったと主張したが、第6回弁論に証人として出席したクァク・チョングン前陸軍特殊戦司令官は、尹大統領に「議決定足数に至っていないようだ。早く国会の門を壊して入って、中にいる人たちを引きずり出せ」と指示されたと証言した。 第5回弁論に証人として出席したヨ・インヒョン前防諜司令官は、「戒厳当日、兵力を出動するようキム・ヨンヒョン前国防部長官に命令された」と認めており、警察に特定の人物の位置を把握するよう要請した事実を認めた。イ・ジヌ前首都防衛司令官はほぼ答弁を拒否したが、チョ・ソンヒョン首都防衛司令部第1警備団長は第8回弁論で、イ前司令官から「国会内部に入って議員たちを引きずり出せ」と指示されたと証言した。 軍を動員した選挙管理委員会の強制捜索も、弁論過程で違法行為が再確認された。尹大統領は第5回弁論で「選管委に戒厳軍を派遣するように言ったのは、私がキム・ヨンヒョン前長官に指示したこと」だと述べた。尹大統領が一貫して否定してきた違憲・違法行為の中で、ほとんど唯一認めた事実関係だった。さらに尹大統領は、「選管委に入り、(セキュリティ点検を行った)国情院がすべては確認できなかった選管委の電算システムにどのようなものがあり、どのように稼動するのか、スクリーン(点検)をしろという趣旨だった」と主張した。選管委のセキュリティがずさんで不正選挙の疑惑が持ち上がったため、自分が軍を送り、これを点検しようとしたという主張だ。 しかし第7回弁論に証人として出席したキム・ヨンビン中央選管委事務総長は「不正選挙疑惑はまったくあり得ない」としたうえで、「果川(クァチョン)庁舎に入ってきた戒厳軍がひとまず『行動統制』をしながら(職員らの)携帯電話を押収した。それ自体が逮捕・監禁に当たる」と反論した。 政治家や法曹人の逮捕指示をめぐる争点については、これを初めて暴露したホン・ジャンウォン国情院第1次長に対する尹大統領側の「揺さぶり」が激しく展開された。ホン前次長は第5回弁論に出席し「『全員捕まえろ』という尹大統領との通話内容を一言一句まで覚えている」とし、ヨ・インヒョン前防諜司令官との通話で「共に民主党」(最大野党)のイ・ジェミョン代表など、政治家や法曹人の逮捕リストを聞いてメモしたと述べた。 尹大統領側が、ホン前次長が証言した非常戒厳当日の夜の動線に誤りがあると指摘したことを受け、ホン前次長は第10回弁論に再び出席し、非常戒厳当日に作成した逮捕関連メモを審判廷で提示し、作成場所は国情院長官邸の前ではなく、自分の執務室だと訂正した。 同じ日に証人として出席したチョ・ジホ警察庁長は、「尹大統領から直接『国会議員を逮捕せよ』という指示を受けた」と検察に供述した内容と関連し、「事実関係に間違いはない」と証言し、尹大統領の逮捕指示があったという証言を後押しした。 チャン・ヒョヌン記者 (お問い合わせ [email protected] )