県警「匿流」125人摘発 昨年 縮小傾向の暴力団上回る 全国は1万人

特殊詐欺事件などで、石川県警が2024年に「匿名・流動型犯罪グループ(匿流(とくりゅう))」のメンバー125人を摘発したことが3日、県警への取材で分かった。対照的に県内の暴力団勢力は縮小傾向で、構成員らの摘発人員は77人と匿流を下回った。全国では両組織が密接な関係にあるケースも確認され、県警は台頭する匿流に警戒を強めている。 匿流に関する通年の摘発統計は初めて。捜査関係者によると、匿流は、収益が集まる中核部分は匿名化され、実行役はSNSなどでその都度募集されるのが特徴。資金獲得犯罪の一つが、特殊詐欺やSNS型詐欺とされ、24年に県内で約15億円の被害が発生した。 県警が摘発した125人のうち、警察庁が示す主な5罪種に当たるのは73人。詐欺が42人と最多で、窃盗12人、風営法違反11人、薬物事犯8人だった。 捜査関係者によると、県警が24年、特殊詐欺事件で逮捕した現金の受け取り役「受け子」や指示役などの大半が匿流とみられるという。その資金獲得の手口は多様で、県警は警視庁などと今年1月に、加賀市片山津温泉のソープランドに女性を紹介していたとされる大規模スカウトグループを摘発。県警はこの組織も匿流とみている。 県警は昨年10月、部門横断のプロジェクトチームを組織し、総力を挙げて取り締まりの強化を図った。 県警によると、県内の暴力団の構成員や準構成員は24年末時点で9組織約170人と減少が続く。同年に摘発した77人は傷害や覚醒剤の事件が多かった。9組織のうち5組織の組長を逮捕した。 ●特殊詐欺、強盗に関与 特殊詐欺や強盗などの事件に関与し、24年に全国で摘発された匿流メンバーは計1万105人に上ったことが3日、警察庁の統計で分かった。末端の実行役が多い一方、首謀者ら中核の摘発は進んでおらず、指揮系統の解明が捜査の課題となる。交流サイト(SNS)上の闇バイト募集を通じて加担したのは全体の3割超の3925人だった。 警察庁の楠芳伸長官は3日の記者会見で「首謀者や指示役への捜査と犯罪収益の剝奪を徹底し、違法ビジネスモデルの解体への取り組みを強力に推進する」と述べた。 匿流が台頭する一方、暴力団構成員と準構成員らは24年末で計約1万8800人と初めて2万人を下回り、統計開始の1958年以降で最少となった。 ★匿名・流動型犯罪グループ 交流サイト(SNS)などを通じて犯罪ごとに離合集散し、匿名性の高い通信アプリなどで連絡を取って犯行に及ぶ。メンバー間でも互いの素性を知らないこともあり、指示役などが特定しにくい。SNS上の「闇バイト」募集を通じて、若年層が実行役として加担するケースも目立つ。主な資金獲得犯罪は特殊詐欺や強盗、薬物事犯など。悪質ホストクラブ問題への関与も指摘される。「ルフィ」らを名乗る指示役による広域強盗事件で注目が集まった。

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